有効証拠金とは?ロスカットを避けるための増やし方や確認方法

トレード中に…

  • 「あとどのくらい含み損が発生したらロスカットルールが発動するのか?」
  • 「保有中のポジションは、証拠金(純資産)に対して大き過ぎていないか?」

と思ったとき、多くの人は「証拠金維持率」を確認することでしょう。

証拠金維持率とは、必要証拠金に対して有効証拠金が占める割合です。
つまり、保有中のポジションが、証拠金(純資産)と比べてどのくらいの大きさなのか?がわかる指標です。

100%を基準として、大きいほど安全で逆に100%を下回ると証拠金は赤字です。

【式】証拠金維持率 =有効証拠金 ÷ 必要証拠金

そして証拠金維持率の上げ方の一つに、有効証拠金を増やすという方法があります。

しかし「そもそも有効証拠金がわからない……」という方のために解説します。

※もし「これからレバレッジ取引や証拠金取引を始める」という方は、記事【仮想通貨レバレッジ取引入門ガイド】初心者でも迷わないやり方を8ステップで紹介!も参考にしてみてください。

有効証拠金とは?

有効証拠金とは、証拠金と含み損益を合わせた金額のことで、実質的な資産のことです。
なお取引所によっては「実質証拠金」や「純資産」とも呼ばれています。

あまりピンとこない人のために、有効証拠金を構成している要素と、構成される一連の流れを書き出したのが下の図です。

有効証拠金の構成フロー

有効証拠が構成されるまでの流れは以下の通りです。

  1. ユーザーは取引所に証拠金を預けます
  2. 取引所はユーザーに、証拠金にレバレッジを掛けた額の資金をレンタルします
  3. ユーザーはその資金を使いポジションを保有します
  4. 価格が変動しポジションに含み損益が発生します
  5. その含み損益と①で預けた証拠金を合算した額が有効証拠金です。

なんとなく有効証拠金のイメージは掴めましたか?

有効証拠金の増減は証拠金維持率に直結する

証拠金維持率の計算例

また有効証拠金は、証拠金維持率を求めることにも使用されています。

【式】証拠金維持率 =有効証拠金 ÷ 必要証拠金

そのため、有効証拠金を増やすと証拠金維持率が高くなり、強制ロスカット※になりにくくなります。

※強制ロスカットとは、一定の証拠金維持率を下回ると強制的にポジションが決済される、取引ルールのことです。
もっと詳しく知りたい方は『ロスカット・追証・不足金支払いとは?仮想通貨FXでマイナス450万円の事例も』の記事をご覧ください。

また証拠金維持率の計算方法についてもっと知りたい人は『証拠金維持率の計算方法(リスクの目安と取引所ごとのロスカット率も紹介)』の記事をご覧ください。

【計算式】有効証拠金

有効証拠金の計算式は以下の通りです。

有効証拠金 = 口座資金 + 含み損益

【例】有効証拠金の計算方法

では実際に有効証拠金を計算をしてみましょう。
今回は以下の3パターンを用意しました。

  1. ポジションを持っていないとき
  2. 含み益が発生しているとき
  3. 含み損が発生しているとき

①ポジションを持っていないときの有効証拠金

証拠金  :10万円

有効証拠金:10万円

②含み益が発生しているときの有効証拠金

証拠金  :10万円
含み益  :1万円

有効証拠金:11万円

③含み損が発生しているときの有効証拠金

証拠金  :10万円
含み損  :1万円

有効証拠金:9万円

このように有効証拠金の計算は、簡単な足し算と引き算なのですぐに覚えられることでしょう。

次は取引ページから有効証拠金を確認する方法を紹介します。

有効証拠金を増やして、証拠金維持率を高くする方法

有効証拠金の構成フロー

証拠金維持率を高める方法の一つとして、有効証拠金を増やすという方法があります。

具体的には、証拠金を新たに追加し有効証拠金を増やします。つまり追加で取引所に入金すれば良いのです。

それにより、間接的に有効証拠金が増えることで証拠金維持率が上がります。

またその他の証拠金維持率を高める方法の一つとして、「レバレッジ倍率を高くする」という方法があります。

ただしこの方法は、仕組みを理解するのが少し難しいので、初心者は資金を追加して有効証拠金を増やした方が無難でしょう。

証拠金維持率を高くする方法についてもっと知りたい人は『証拠金維持率を高くしてロスカットを避ける方法(FX/仮想通貨レバレッジ取引)』をご覧ください。

【注意点】ポジション保有中は、有効証拠金が常に増減する

有効証拠金は、ポジションを保有していると常に変動します。
それは有効証拠金の計算には、「含み損益※」が含まれているからです。

そのため以下のパターンでは、有効証拠金は増えます。

  • 含み益が増える
  • 含み損が減る

逆のパターンでは有効証拠金が減ってしまいます。

  • 含み益が減る
  • 含み損が増える

そして含み損が膨れ上がってしまうと、証拠金維持率が下がりロスカットルールが発動してしまうのです。

なので有効証拠金は、常に余裕を持っておきましょう。

※含み損益とは、まだ決済していないポジションを、仮にその時の相場で決済したときに発生する損益のことです。

有効証拠金をどのくらい増やせば良いのか知りたい人は、『証拠金維持率を高くしてロスカットを避ける方法(FX/仮想通貨レバレッジ取引)』をご覧ください。

取引画面で有効証拠金が表示されてる箇所:Liquid(旧QUOINEX)

有効証拠金は取引画面に表示されていることが多く、Liquidでは以下の場所から確認できます。

  • メニュー画面から「レバレッジ取引」を選択します
  • 「損益」画面の下の方に有効証拠金が表示されています

   

証拠金維持率の計算例
拡大図

Liquid以外の仮想通貨取引所やFX証券会社などでも、画面のどこかに有効証拠金は表示されているケースが多くあります。

資金コントロールのために、トレードをする前に場所を確認しておきましょう。

【まとめ】有効証拠金とは

  • 証拠金と含み損益を合わせた金額のことで、実質的な純資産のことです
  • 証拠金維持率を求めるときに使います
  • 有効証拠金を増やす方法は、追加で証拠金を預けるます
  • その場の変動にともなう含み損益の増減によって、有効証拠金も増減します

次回は必要証拠金について解説します。

About 中井剛 98 Articles
ひろぴーが運営するCXR のメンバー。 これまでに、FXや仮想通貨関係の営業、メディア運営、新規サービス立上げ、広告運用、バイヤー業務、ウォレット営業、Webライティングなど、幅広く活動を行う。趣味はラジオ体操とジム、ラジオを聴くこと。