前回・前々回の記事で、仮想通貨の「先物取引」について解説をしてきました。
①先物取引の基礎の解説
②先物取引ができる国内外の「取引所」の紹介と比較
この2つの記事を読んだ方は「仮想通貨の先物取引」を、_なんとなく理解_できたのではないでしょうか?
今回の記事では先物取引を_しっかりと理解_するために、「仮想通貨FX」と「仮想通貨の先物取引」を比較ます。
それぞれの違いから先物取引の特性を更に理解しましょう。
仮想通貨FXと先物取引の「ルール」の比較(表面的な違い)
まずは仮想通貨FXと先物取引の、取引ルールの違いについて共通点と相違点を紹介します。
ただトレードを楽しむだけであれば、この項目が理解できていれば問題ないでしょう。
まずは共通点から紹介します。
取引ルールの共通点
- 差金決済取引
- 証拠金取引(レバレッジ取引)
仮想通貨FXと先物取引の共通点は、現物の受け渡しをしない取引方法である点(差金決済取引)と、預け入れた資金よりも大きな金額の取引(レバレッジ取引)ができる2点です。
そのため既にFXを経験されている方あれば、以下でご紹介する【相違点】を知ればすぐにトレードできると思います。
逆に仮想通貨FXの取引経験がない方は、『ハイリスク・ハイリターン』な取引方法であることを知っておきましょう。
以下の記事でも書いていますが、証拠金取引は実質的に取引所から借りたお金でトレードをしているとも言えます。
そのため場合によっては預け入れた資金以上に損失が発生してしまい、「不足金支払い」が必要になることもあります。
では次に相違点を見てみましょう。
取引ルールの相違点
- 満期日の有り無し
- 取引板・相場参加者が違い
- 国内の先物取引は通過ペア少ない
取引ルールの違いをそれぞれ解説します。
まず分かりやすい違いは、FXでは満期日がなく、先物取引では満期日があります。
仮想通貨先物取引では、購入(エントリー)後に決済(エグジット) せずに満期日を迎えると、強制的に決済が行われます。
逆にFXでは満期日がありません。
またFXでは「通貨ペア」ごとに取引板が用意されています。
逆に先物取引では、通貨ペア内の満期日ごとに板が分かれています。
そのため先物取引では通貨ペアは一緒でも、満期日が違えば相場の参加者も異なりまる。
最後に、現在国内で先物取引ができる銘柄は「ビットコイン」のみです。(2018年10月時点)
国内の仮想通貨FXは、取引所ごとに数種類から十数種類の通貨ペアの取扱があるので、これも明確な違いと言えるでしょう。
ちなみに取引板の違い関しては以下の記事で詳しく解説しています。
では次に取引の仕組みの違いをみてみましょう。
取引の仕組みの比較
ここまではそれぞれの取引の表面的な特徴を紹介しました。
これで先物取引の特徴を理解してトレードができることでしょう。
そしてここからの項目では それぞれの「取引の仕組み」の違いを解説します。
根本的な違いを理解することで、人によってはトレード戦略も変わるかもしれません。
まず結論として、本質的に購入と決済のタイミングが違います。
その理由を以下の2つの画像では、購入(エントリー)から決済(エグジット)までの流れを、順序だてて解説しています。
仮想通貨FXの取引の流れ

- 通貨ペアを購入(エントリー)
- 通貨ペアを売却(エグジット)
- 差額が損益になる
仮想通貨FXの取引の流れは、このようにいたってシンプルです。
次に先物取引の取引の流れを見てみましょう。
仮想通貨先物取引の流れ

- 「仮想通貨を購入する権利」を買う(エントリー)
- 満期日までに権利を執行して実際に購入する(エグジット)
- 権利を購入した時の価格と、権利を執行した時の価格差が損益になる
「権利を売買する」書くと、難しく聞こえてしまうので簡単に例えると、
_「30日後に今約束した価格(100万円)で買うよ!」_という取引です。
そのため、30日後に↑の時より価格が上がっていれば差額分が利益になり、逆に(90万円とかに)下がっていたら損失になります。
上記のように先物取引では、権利を買った時点で事実的に仮想通貨の購入はされていなく、権利を行使した時点で実際に購入が行われています。
なお以下の記事でも先物取引の流れを違う角度で紹介しているので、反復練習としてご利用ください。
最後に【まとめ】を解説します。
先物取引きが向いている人と
今回の記事では、仮想通貨の先物取引の理解を深めてトレードどに活かすために、仮想通貨FXと比較しました。
ここまでの内容から、ズバリ仮想通貨の先物取引はこんな人に向いていると言えるでしょう。
- なかなか損切りができない人
- 仮想通貨FXの市場参加者と戦いたくない人
「あ、これ俺のことだ……」と思った方は、ぜひ先物取引にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
【まとめ】仮想通貨の「FX」と「先物取引」の比較
最後に今回の記事の要点をまとめます。
【仮想通貨の「FX」と「先物取引」のを比較】
- 共通点は、差金決済取引・証拠金取引が採用されていること
- 相違点、満期日の有無・取引板(相場参加者)が違うということ
- 本質的な取引の流れが違う
※今回手数料やレバレッジの比較は、取引所によってルールや設定が異なるので今回の記事では対象外として ます。
なお国内で先物取引ができる「bitFlyer」と「bitbank Trade」の比較は前回の記事で詳しく紹介しています。