仮想通貨の「先物取引」をご存知でしょうか?
2017年12月18日にビットコインの先物取引が、CME(シカゴの代表的な取引所)で上場し大きなニュースとなったのでそこで知った方も多いと思います。
またその上場後しばらくしてビットコインの価格が、200万円代の最高値から下落を始めたことから「ビットコインの価格上昇が止まったのは先物取引の影響だ」という説もあります。
しかしながら先物取引の仕組みやルールは、仮想通貨FXと比るとほとんど知られていないと思います。
そこでこの記事では、仮想通貨の先物取引について
- 特徴
- ルール
- 損益の仕組み
など、基本的ですが意外と知られていない情報を図を使い分かりやすく解説をします。
仮想通貨の先物取引とは

仮想通貨の先物取引とは、ズバリ「未来の価格を予測する取引」です。
具体的には、将来の決められた時点までに、最初に約束した価格で取引ができる「権利」を売買する取引です。
分かりやすく例えると、「1週間後に1ビットコインを100万円で買います!」といった約束をする取引きです。
では更に具体的な特徴を見てみましょう。
仮想通貨先物取引の特徴
では先物取引の特徴をみてみましょう。
【仮想通貨先物取引の特徴】
- 満期日がある
- 満期日にも種類がある
- 差金決済取引
- 証拠金取引(レバレッジ取引)ができる
仮想通貨の先物取引の一番の特徴は、「満期日」があることです。
満期日とは、注文が通ったあとに、あらかじめ決められた日時に強制的に決済されるルールです。
なお満期日までの期間内であればいつでも決済できます。
また満期日にも種類があり、bitFLyerが提供している先物取引きでは3種類の満期日があります。
ちなみに満期日ごとに別の取引板でトレードをします。
【bitFlyerの先物取引の満期日】
- 1週間
- 2週間
- 3ヶ月
一般的に仮想通貨の先物取引は、仮想通貨FXと同様に差金決済取のため、現物の売買が行われることなく売買した際の差額が損益になります。
また証拠金取引なので、少ない資金で大きな額の取引と「空売り」ができます。
差金決済取引と証拠金取引(レバレッジ取引)について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
次の項目ではもう一歩踏み込んで、先物取引の仕組みについて解説します。
仮想通貨先物取引の仕組み

はじめの項目で、先物取引は、将来の決められた時点までに、最初に約束した価格で取引ができる「権利」を売買する取引と紹介しました。
まだイメージがわかない方も多いと思うので、もう少し詳しく解説します。
上の画像をご覧ください。
①のタイミングで買ったのは、「満期日までに100万円で買う」権利です。
その後②で満期日になったので、約束通りビットコインを100万円で買います。
しかしその時のビットコインの価格は108万円なので、8万得して買えました。なのでこの8万円が利益になります。
なお8万円が利益になる理由は、差金決済取引だからです。
具体的には、100万円で買った1ビットコインを、すぐに108万円で売ります。
そうすると手元には8万円が残り、これが利益になります。
ただしこの過程は差金決済取引によって見えないようになっているので、ユーザーからすると「安く買って、高売った」という風に見えます。
このような根本的な仕組みを知らなくても先物取引はできますが、この仕組みを理解することで「先物取引は未来の価格を予測する取引」と言われる理由がわかるのではないでしょうか?
【まとめ】仮想通貨先物取引きの仕組み
この記事では、仮想通貨の先物取引の基本的な仕組みや、特徴・概念について解説しました。
最後に重要な項目をおさらいしてみましょう。
- 仮想通貨の先物取引は、決められた期日までに約束した価格で売買する取引
- FXとは利益が出る仕組みが違う
- 満期日とは、あらかじめ設定された期日のことで、その日を迎えると強制的に決済される
- 満期日ごとに取引板が用意されている
次の記事では、国内で仮想通貨の先物取引ができる取引所について解説します。