少ない資金から投資を始めることができることで人気のレバレッジ取引。
仮想通貨にもレバレッジ取引は普及しており、国内でも半数程度の仮想通貨取引所で提供されています。
またレバレッジ取引のなかには、仮想通貨FX、ビットコインFXという類似のサービスもあります。
この記事では、レバレッジ取引と現物取引との違いや、レバレッジ取引のルールなど、知っておきたいことをまとめてみました!
レバレッジ取引とは
仮想通貨のレバレッジ取引とは、実際に取引をする金額の数分の一の資金を担保にして、数十倍の額を運用できる取引です。この担保を「証拠金」と呼び、レバレッジ取引は「証拠金取引」とも言います。
レバレッジ取引は、現物の受け渡しを必要としません。
その代わり、売買が完了したときの差益が損益となり証拠金の増減に反映されます。
これを「差金決済」と呼びます。
【差金決済取引の特徴】
- 現物の受け渡しはない
- 売買した差額が損益になる
- 通貨ペアを売買する
レバレッジ取引では、取引所によって最大で25倍までのレバレッジを掛けられることができます。
つまりレバレッジが25倍の場合は、口座資金が10万円しかなくても最大で250万円分のビットコインを購入できます。
少ない資金で大きな金額を動かすことができる。これがレバレッジ取引の魅力です。
現物取引とレバレッジ取引の違い
仮想通貨の「現物取引」と「レバレッジ取引」の主な違いは以下の5点です。
- レバレッジ
- 売買ルール
- スプレッド
- スワップ
- 仮想通貨の所有
その中でも重要な2点を解説します。
【売買ルール】仮想通貨を持っていなくても売れる
また現物取引との1番の違いは、売りからも入れることです。
下落相場であれば、売りから入って価格が下落すれと利益が出る仕組みです。さらに価格が下がりきったところで買い戻せば収益が上がる仕組みなのです。
例えば、1BTCを70万円から売りに入ったとして、予想通り価格が60万円に値が下がれば、60万円で1BTC を買い戻せます。
つまり、この取引で「10万円」の利益になるのです。これが現物取引と大きく異なる点です。
※このように売りから始めることを「空売り」といいます。
もっと詳しくは以下の記事をご覧ください。
【現物を所有できない】
また現物取引では仮想通貨を実際に所有することができるため、購入後は他の取引所に送金したり、仮想通貨でショッピングしたりすることができますが、レバレッジ取引はあくまでも証拠金を取引所に預けて売買による差益を受け取っているだけです。
レバレッジ取引で保有している仮想通貨は、保有量のおよそ0.025〜0.05%/日ほどの手数料がかかります。ビットコインが100万円の際に手数料が0.025%の場合は、250円(/日)となります。
これは取引所に支払う料金です。そのため数ヶ月以上の長期保有には向いていません。
これらを「マイナススワップ」と表現することが多いので覚えておきましょう。
そのため初心者は、短期トレードがまずは有効です。
以下の記事で短期トレードに役立つ「テクニカル手法」を紹介しています。
証拠金維持率がポイント!
レバレッジトレードでは、「証拠金維持率」のコントロールが重要です。
証拠金維持率とは、レバレッジ取引で保有中のポジションサイズが、純資産と比べてどのくらいの大きさなのかがわかる指標です。
つまり、自分がレバレッジを掛けて運用している額が、本当の資産に対して大きすぎていないか?がわかります。
もっと詳しくは以下の記事をご覧ください。
・証拠金維持率の計算方法(リスクの目安と取引所ごとのロスカット率も紹介)
・仮想通貨FXのレバレッジと証拠金維持率の関係・意味
◇レバレッジトレードの具体例
レバレッジ取引の倍率は取引所によって異なります。
今回はビットコインのレバレッジ取引で10倍まで掛けることのできるGMOコインを例に紹介していきます。
以下のチャートをご覧ください。
この時に、ビットコインが75万円の時に1枚保有したとしましょう。
レバレッジは10倍ですので必要な証拠金は7万5千円です。
計算式:75万円÷10倍=7万5千円
つまりビットコインが75万円の時に買いを入れたとします。
そして80万円になった時に決済すると、その差益が+5万円の収益となります。
しかし、逆にマイナスになることも・・・
一旦はプラスになっていたものの、その後下落して結局-5万円の差益で決済となりました。
この時、ある程度価格が上昇して含み益ができた時に、ロスカットの価格を引き上げるという対応をしておけば損失は免れたでしょう。
具体的な仮想通貨のレバレッジ取引の売買テクニックは、移動平均線とレジスタンス・サポートライン、あとはチャートのかたちを見ての分析が有効となります。
・仮想通貨FX・移動平均線使い方【スマホ編】
・仮想通貨FX・フォーメーション分析/GMOコインで実戦実演!
このとき、重要になってくるのが「口座資金(純資産)」です。
そもそも口座に7万円しかなかったら、少し価格が下落しただけで証拠金が足りなくなります。
7万円のビットコインを1枚購入するには、少なくともその2倍の14万円の口座資金が必要になります。
というのも、差金決済取引には含み益もあれば含み損もあります。決済して初めて損益が確定となるので、含み損を抱えていても耐えられるだけの余剰資金がないといけません。
この余剰資金が少なくなると、取引所によって強制ロスカットされてしまうのです。この点には注意をしておきましょう。
以下の記事では、「レバレッジを調節してロスカットをコントロールする方法」を紹介しています。
強制ロスカットを避けるために-証拠金維持率とロスカットルールを知ろう
強制ロスカットとは、簡単に言うと含み損が余剰資金を上回った際に、それ以上損失を出さないために取引所が強制的に保有建玉を決済するシステムです。
この際に、急激な相場の変動などで証拠金の額を上回る損失が生じた場合に、その超過分を支払う「追証(おいしょう)」が発生する取引所もあります。
これは取引所によっても違うので、追証の有無を必ず確認しましょう。
逆に言うと、追証がない取引所ならば最悪口座資金以上はなくならないので、追証なしの取引所を選んでハイレバレッジで取引をする一攫千金狙いの人もいます。
ロスカットの計算方法
さて、強制ロスカットにならないためには、「証拠金維持率」を理解する必要があります。
証拠金維持率とは…
(口座残高 + レバレッジ取引の建玉評価損益 – 取引所(レバレッジ取引)の建玉必要証拠金)/ レバレッジ取引の建玉必要証拠金
のことで、GMOコインの場合はロスカットアラート発動が100%、ロスカットは75%で執行されます。
このロスカットルールについても取引所によって異なりますが、含み損が口座資金から証拠金を引いた口座残高の半分以上になった場合にロスカットされる可能性があると覚えておきましょう。
余剰資金は多いに越したことはありませんが、証拠金維持率が1000%程度あると、余裕を持って取引することができます。
なお、「証拠金のわかりやすい計算方法」を以下の記事で紹介しています。
【まとめ】仮想通貨のレバレッジ取引とは?
最後に、レバレッジ取引のポイントについて記載しておきます。
- レバレッジ取引は売りで利益を上げることができる
- レバレッジをかけた取引で思惑通り相場が進むと、大きな利益を得ることができる。
- 建玉にはスワップ(建玉保有料)が毎日0.025〜0.05%かかる
- 含み損が膨らみすぎると強制ロスカットされる
- 追証の有り、なしがある
さらに仮想通貨には色々な種類がありますが、アルトコインはビットコインに比べて価格が低い分スプレッドが広い傾向があります。このため、短期売買では差益での利益を上げにくい傾向があるため、ボラティリティ重視であればやはりビットコインFXを選択するのが無難でしょう。
レバレッジ取引のメリット、デメリットを知って上手に投資を行ってみなさんも収益をあげてくださいね!