ハードフォークが発生する原因とは。過去の実例を紹介!
〜コミュニティの分裂やプロトコルの改善など〜

前回の記事ではハードフォークした後のセキュリティ面(リプレイアタック)について解説をしました。

ハードフォークした後の「リプレイアタック」とは?

今回の記事ではハードフォーク関して

  • なぜ仮想通貨がハードフォークしてしまうのか?
  • ハードフォークしたあとはどうなるのか?
  • 仮想通貨の代表的なハードフォークはどんな事例があるのか?

という点について解説をします。

 

ハードフォークが発生する原因


ハードフォークが発生する原因は以下の2つに分類できます。

  1. コミュティの分裂による原因
  2. 計画的なプロトコル※の機能改善による原因

※仮想通貨におけるプロトコルとは、ブロックチェーンや仮想通貨の規格・仕様のことで、仮想通貨としての機能を果たす役割を持っています。

ではそれぞれのハードフォークする原因につてい代表的な例を元に解説します。

 

コミュティの分裂が理由によるハードフォーク例

仮想通貨のコミュニティの分裂とは、仮想通貨の実質的な運営元となる集団(財団や組織・マイナー)が分裂してしまうことです。

コミュニティが分裂する理由は様々ですが、多くは2つに分類できます。

  • 組織内で仮想通貨の方向性や思想の相違
  • マイナーの利害関係

では過去に起きたコミュニティ分裂によるハードフォークの代表例を2つ紹介します。

 

(1)イーサリアム(Ethereum)からイーサリアムクラシック(Ethreum classic)が派生


イーサリアムがハードフォークをしてイーサリアムクラシックが誕生した理由は、組織内の思想の違いです。

2016年5月にイーサリアムのブロックチェーンを利用したプロジェクト【The DAO】がリリースされ、イーサリアム上の通貨Etherで約150億円分の資金調達をしました。

しかし翌月の2016年6月にThe DAOのプログラムのバグを突かれたハッキングにより約50億円分のEtherが盗まれてしまいました。

そこで2016年7月に、イーサリアムのコミュニティは盗難に対する措置として、イーサリアムのブロックチェーンを盗難が発生する前の時点からハードフォークさせ、盗難がなかった方を正しいブロックチェーンとすることにより、実質的にイーサリアム上で盗難がなかったことにしました。

ところがイーサリアムのコミュニティでは、上記の措置を中央集権的*として良く思わなかったコミュニティのメンバーがいて、その後そのメンバーがイーサリアムの盗難が発生した方のブロックチェーン(古いチェーン)を組み立て続けた結果、7月20日にイーサリアムクラシック(Ethereum Classic)が誕生しました。

なおその際にETHを保有していたユーザーは、同額のイーサリアムクラシック(ETC)を受け取っています。

イーサリアムクラシックは、その後2016年7月24日に取引所に上場し売買が行われ、その後もイーサリアムとは別の仮想通貨としてプロトコルの機能改善を行っています。

では次にビットコインの例を紹介します。

 

(2)ビットコイン(Bitcoin)からビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)が派生


ビットコインがハードフォークしてビットコインキャッシュが誕生した理由は、仮想通貨の方向性の違いです。

2017年前半にビットコインの【スケーラビリィティ問題※】を、ソフトフォークで対策する「スモールブロック派」とハードフォークで対策する「ビッグブロック派」でコミュニティが分裂しました。

その結果2017年8月1日にビットコインが478,559番目のブロックでハードフォークをして、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)が誕生しました。

※スケーラビリティ問題とは、ビットコインのブロックチェーンのブロックサイズについて1メガバイトを上限として設定されているで発生する問題のことで、主に送金の遅延やそれに伴う送金手数料の高騰が発生します。

なおビットコインキャッシュはブロックのサイズを8メガバイトにすることで、多くのトランザクションをブロックに含められるようになり、それにより送金速度の改善を試みています。(2018年9月時点では上限が32メガになっています)

ここまではコミュニティの分裂によるハードフォークについて解説をしました。
次は計画的なハードフォークについて解説をします。

 

計画的なプロトコルの機能改善が理由よるハードフォーク例

計画的なプロトコルの機能改善によるハードフォークとは、仮想通貨が新たに機能を追加するためにあらかじめ予定されているハードフォークのことです。

なおこのハードフォークには2つの特徴があります。

  • コミュニティ内ですでに合意が図られて上で実施される
  • ハードフォークした後に通貨が分裂しないような措置が取られている

では実際の例を紹介します。

 

イーサリアム(Ethereum)の4段階のハードフォーク


イーサリアムには「ワールドコンピュータ」という思想があり、2014年にプリセール(通貨の販売)が行われた時点で、段階的にプロトコルを変更していくことを公表しています。
その内容は以下の通りです。

 

【イーサリアムの計画的ハードフォーク】

  1. Frontier(フロンティア)
  2. Homestead(ホームステッド)
  3. Metropolis(メトロポリス)
    1. Byzantium(ビザンチウム)
    2. Constantinople(コンスタンティノープル)
  4. Serenity(セレニティ)

 

なお、2018年9月現在では、3-1.Byzantiumまでが完了しています。

また上記のハードフォークの際には、ブロックチェーンのフォークが起きて新たな通貨が派生してしまわないための【ディフィカルティボム】と呼ばれる措置が取られています。

ディフィカルティボムとは、古い方のブロックチェーンのマイニングの計算難易度を上昇させるルールです。
それによりノードは古いブロックチェーンをマイニングしようとすると、ハードフォーク以前の時より電気代がよりかかってしまい採算が合わなくなってしまうので、経済的に考えて新たらしいブロックチェーンを採掘するようになります。

その結果、旧ブロックチェーンが継続して組み立てられることはなくなり、新ブロックチェーンが組み立て続けられます。

 

ハードフォークが発生する原因のまとめ

この記事では「仮想通貨がハードフォークしてしまう原因」についてその内容と例を元に解説しました。

最後に大事なポイントをおさらいします。

  1. 仮想通貨が分裂する大きな原因は主に2つ

  2. ①はコミュニティの分裂によるもので、新たな通貨が派生する

  3. ②は計画的な分裂で、新たな通貨は派生しない

 

ハードフォークにも実は様々な背景と歴史があります。

ハードフォークによって派生した仮想通貨を購入する際には、その点も理解することで後々の投資戦略にも生きてくることでしょう。

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