リップル(XRP)社によるロックアップの噂が実現してしまい、完全に青天井と化していた2017年5月のリップル。
この噂は4月頃から始まっておりました。
3月頃だったでしょうか? 1.5円を突破したあたりから上昇速度があがり、2〜4円ゾーンを激しく上下して最終的には抜けてきました。
起点をどこからにするかが難しいのですが、多めに見積もって2円から46〜48円までの高騰です。
少なくともおよそ23〜24倍の高騰となりました。情報はもちろん事前に漏れ伝わっていったのでしょう。
中央集権制を強めてしまったリップル(XRP)
こんなことをして価値を上げてしまったリップル。
かなり中央集権制色の強いアルトコイン?だと思われます。
以下、リップル社からのXRP供給の内容です。
550億枚分のリップルをロックしてしまったそうです。
これはわかりやすくいうと、中央銀行でいうならば、金融引き締めです。
供給量を減らすので、市場に出回っている通貨に限っては価値が高まるわけです。(市場に出回っている通貨量だけで現状の需要に対応しなければならないため。)
なので、金融引締めを行えば、米ドルのように価値があがります。現在で言えば、米国の利上げだったり、FRBのバランスシート縮小を実施した場合に該当する現象です。(まだFRBはバランスシート縮小してませんがw)
これと同じ理論です。
なので、金融引締めをしたリップル中央銀行はXRPの価格上昇をうまく操作できたわけです。(通貨高に持っていくことができた。)
では引き締めたものは元に戻さなければなりません。どうするつもりなのでしょうか?
それは下記のリップル社から発表をそのまま抜粋します。
2018年1月から毎月10億XRP供給する。
出所:https://ripple.com/insights/ripple-to-place-55-billion-xrp-in-escrow-to-ensure-certainty-into-total-xrp-supply/
来年(2018年)の1月からリップル中央銀行様は金融緩和をご実施なさるそうです。(あくまで現状の目処)
もうお分かりいただけますよね?
55ヶ月間毎月10億リップル(XRP)を市場に供給していくという意味です。
そしてその供給カーブが上記のチャートになります。
日銀で例えるならば、毎月5〜6兆円の国債の買い入れをしていくニュアンスと全く同じです。これは通貨安要因になります。(リップル安要因になります。)
よってリップル中央銀行さんは4年半も金融緩和をしていくと、発言しているようなものなのです。
ですから今後、XRPの価値は上がりづらいものかと思われますし、これまでのような上昇を見込むのは非常に難しいと思われます。
ロックアップ(金融引締め)にて、1ヶ月間で20倍以上になってしまった通貨です。
これ以上の価値の上昇は他のコインと比べれば、上昇の余地が最も少ないと言わざる得ません。
このロックアップの代償は大きいように感じます。
そしてこの「ツケ」は数ヶ月以内に影響が出てくるのではないでしょうか。
2017年5月〜10月の間までには天井をつけると考えております。
そもそも株式の場合ですとロックアップ解除2ヶ月ぐらい前から、どんな株価でもほとんどが下落していきます。(経験上)
今回のロックアップ騒動で上昇しすぎたリップル。
典型的な織り込み済みの展開だったように思えます。
他のアルトコインを目を瞑って買っていたほうが収益率が高いのではないでしょうか。
リップル(XRP)チャート 急落くるか?
リップルチャート1ヶ月分です。
ウェブ上では、ポジティブな意見が散見されておりました。
⇛「ロックアップして急落の影響がなくなった!」「価格が維持されるようになった!」と解釈されているようですが、今一度お考え直したほうがいいように思えます。
そんなことをして成功した国、中央銀行及び上場している株式会社は過去の歴史を紐解いてもほとんどありません。
アベノミクスを経験した株、FXユーザーはその威力をご存知だと思います。
世界3大通貨である『円』でさえも、下落には凄まじいものがありました。
これから緩和を実施することが確定しているリップルにとっては価格的に厳しい試練が待ち受けているように思えます。
現在の価格を維持しようと試みて成功した事例はありますが、その代わりに上昇も見込めません。
下がらないように価格をコントロールすれば、上がるものも、上がらなくなります。
そんな都合の良い株式や通貨が今までこの世にあったでしょうか。
アップルやグーグルでさえも株式をロックアップしたら価格は下落すると思います。
RippleのCEOが取った行動はかなり致命的です。
リップルプロトコルは非常に優秀なネットワークであり、小生も2年以上前に0.6円で購入した初めてのアルトコインでした。
XRPは大変思い入れのある印象深いものでしたが、個人的にはすでに興味は薄れました。
半値以下、もしくはそれ以上に下落しない限り買うことはないと思います。(暴落がきたらたぶんこんなものじゃ済まされないはず。)
リップル社の中央集権制には幻滅しました。ちょっと残念ですね。