仮想通貨の《取引所》と〈販売所〉の価格の決まり方の違い

この記事では

  • 仮想通貨の価格の決まり方の仕組みはどうなっているの?
  • 販売所と取引所で実際にどのくらい価格が違うの?
  • どうして販売所と取引所で価格が違うの?

について解説したいと思います。

まずは価格の決まり方の仕組みについてみてみましょう。

※どっちがお得かを知りたい方は、以下の記事をご覧ください

ビットコインを買うのに、販売所と取引所どっちがお得?<購入レート・手数料比較>

《取引所》と〈販売所〉のそれぞれの価格決まり方

仮想通貨の価格は、一般的に『取引所』と呼ばれる仮想通貨交換業者によって異なります。
またユーザーが仮想通貨を売買する際に提示されている価格の決まり方は、各社が採用している取引方法によって主に2種類あります。

【2種類の価格の決まり方】

  1. 仮想通貨《取引所》:オークション方式
  2. 仮想通貨〈販売所〉:マーケットメイク方式

それぞれの方式を解説します。

①取引所の価格の決まり方「オークション方式」とは

オークション方式とは、仮想通貨取引所内の【買い手】と【売り手】の注文の中から、双方で条件が合う注文同士で売買を成立させていく方式です。

また、オークション方式の取引には以下のルールがあります。

  • 価格優先の原則
  • 時間優先の原則

それぞれの原則を詳しく見てみましょう。

価格優先の原則とは?(オークション方式)

オークション方式の仮想通貨売買で価格を指定して〈売り注文]を出した際は、より価格の高い価格の《買い注文》が優先してマッチングします。

逆に《買い注文》では、価格のより安い〈売り注文〉が優先してマッチングします。
ただし価格を指定しない注文があった場合は、その注文が最優先でマッチングします。

例えば「ネットオークション」をイメージしてみてください。

人気の商品はどんどん高い価格で入札がされ、最終的に1番入札額が高かった金額で落札されます。

これは価格優先の原則を取り入れているからです。

※なお取引所との明確な違いは、あらかじめ設定した時間が最終価格となり売買が成立するような仕組みを取り入れている点です。

仮想通貨も価格優先の原則によって、〈売り注文〉に対してより高い《買い注文》がマッチングするようになります。
なので多くの人が欲しがった場合、どんどん価格が上がります。

【クリプトクイズ】価格優先の原則

【1】
例えばAは取引所に「1BTCを100万円で売りたい(誰か買ってくれ)」という〈売り注文〉を出したとします。
その時に2つの《買い注文》がありました。

  1. 「1BTCを105万円で買いたい」
  1. 「1BTCを100万円で買いたい」

Q,この場合はどちらの買い注文がAの売り注文と成立しますか?


 

A,答えは①です。
理由は売買が成立した理由は、その時に一番高い価格での《買い注文》だったからです。
なのでAは105万円でビットコインを売れました。

 

【2】
では逆に、Aが取引所に「1BTCを100万円出すから買いたい(誰か売ってくれ)」という《買い注文》を出したとしてます。
その時に3つの売り注文がありました。

  1. 「1BTCを95万円で売りたい」
  1. 「1BTCを90万円で売りたい」
  2. 「値段は幾らでもいいから1BTCを売りたい」

Q,この場合はどの〈売り注文〉がAの買い注文と成立しますか?


 

A,答えは③です。
理由は価格を指定しない〈売り注文〉だったからです。
なので、Aは1BTCを100万円で買えました。

以上で「価格優先の原則」のクイズは終了です。
一見ややこしく見えますが、単純に

  1. 売りたい人はより高く売れて
  2. 逆に買いたい人はより安く買える
  3. ただしすぐに売買したい人は価格に関係なく最優先で成立しする

と覚えておくとよいでしょう。

ここまでは価格優先の原則を紹介しました。
次の原則を解説します。

時間優先の原則とは?(オークション方式)

オークション方式では、同じ価格で仮想通貨の注文が行われた際に、《取引所》が受付けた時間が早い注文が遅い注文に優先して売買が成立します。

上記のルールとその取引所内での仮想通貨の需要と供給により価格が変動します。

仮想通貨取引所が採用している、オークション方式の解説はここまでです。

ここからは、販売所の価格の決まり方を解説します。

〈販売所〉の価格の決まり方②「マーケットメイク方式」とは

マーケットメイク方式は、注文者と販売所の2者間で売買を成立させる取引方法です。
なのでユーザーは販売所が提示した仮想通貨の価格に対して注文をします。

またその際の価格の決まり方は各社によって異なりますが、多くはその販売所の利益が含まれた価格が提示されています。

 

《取引所》と〈販売所〉の価格の差

先程、販売所の仮想通貨価格には実質的に手数料が含まれていると書きました。

それによって《取引所》と〈販売所〉の提示価格にどれくらいの差があるのか確認してみましょう。

この画像はbitFlyerの《取引所》と〈販売所〉の価格を同時に撮影したものです。

価格差の違いの結果は以下の通りです。

【購入価格を比較】
834,173《取引所》 – 845,249〈販売所〉 = -11,076
→取引所から購入する方が11,076円安く買える

【売却価格を比較】
833,705《取引所》 – 825,163〈販売所〉= 8,542
→取引所で売却する方が8,542円高く売れる

価格差だけみると《取引所》の方がお得に見えますが、それぞれメリット・デメリットがあります。

もっと詳しく知りたい方はおすすめ販売所価格比較!販売所/取引所のメリット・デメリットを知ろうの記事をご覧ください。

 

取引所と販売所の見分け方

仮想通貨交換業者の中には相対取引を採用していても、提供しているサービス名に「販売所」と記載しない業者も多くあります。

ではどのように見分ければ良いのでしょうか?
それは「取引板」の有無です。

  • 取引所→取引板が有り
    【例:bitbank】
  • 販売所→取引板が無し
    【例:GMOコイン】

もしくは価格指定の有無も見分ける基準としては有効です。
※しかし例外として「DMM Bitcoin」は販売所ですが、ユーザーは価格を指定して注文ができるので必ず有効というわけではありません。

 

国内でメジャーな《取引所》と〈販売所〉

2018年7月時点でのメジャーな仮想通貨交換業者の分類を挙げます。

《取引所》

  • bitbank
  • bitFlyer
  • Zaif
  • QUOINEX
  • coincheck
  • みんなのビットコイン

〈販売所〉

  • bitFlyer
  • Zaif
  • coincheck
  • SBI VC
  • DMM Bitcoin
  • GMOコイン

中にはbitFlyerやZaifなど《取引所》と〈販売所〉のサービスを同時にしている会社もあります。
ご自身の取引スタイルにあった《取引所》〈販売所〉を見つけてみましょう!

仮想通貨取引所にある「板」をもっと知りたい方は以下の記事をご覧ください。

About 中井剛 98 Articles
ひろぴーが運営するCXR のメンバー。 これまでに、FXや仮想通貨関係の営業、メディア運営、新規サービス立上げ、広告運用、バイヤー業務、ウォレット営業、Webライティングなど、幅広く活動を行う。趣味はラジオ体操とジム、ラジオを聴くこと。