数あるテクニカル分析の中でも1・2を争うほど広く使われているのが「ボリンジャーバンド」です。多くの人は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、仮想通貨専業トレーダーひろぴーが、ボリンジャーバンドに関して…
- ボリンジャーバンドの仕組み、見方
- チャートに設定する方法
- ボリンジャーバンドのオススメの期間設定
- スマホでの設定方法
- 相場状況ごとの分析方法
など、網羅的に解説します。
ボリンジャー・バンドとは

ボリンジャー・バンドはジョン・ボリンジャー氏によって1980年ごろに考案されたテクニカル分析の一つで、統計学の標準偏差と正規分布※を元にしています。

ボリンジャーバンドの中心(上の図)にあるのが「移動平均線」で、この移動平均線の上下に、標準偏差で割り出したバンドを描画したものが「ボリンジャーバンド」です。
この上部バンドを+1σ(シグマ)、+2σ、下部のバンドを-1σ、-2σと呼びます。また一般的に±1σ〜±3σで表記されることが多いです。
また、統計学的に相場が正規分布である場合、価格は以下の確率で各バンド内を上下するとされています。
- ±1σ標準偏差内で動く確率:68.27%
- ±2σ標準偏差内で動く確率:95.45%
- ±3σ標準偏差内で動く確率:99.73%
つまり24時間動いている相場で、約7割の時間は±1σに収まっているということになりますね!
ボリンジャーバンドはよく「±2σにタッチしたら逆張り」といったように、レンジ逆張りトレードに利用されがちですが、それだけではありません。
相場の3割であるトレンド相場からも利益を得るために、逆張りとトレンド相場の見分け方を、ボリンジャーバンドを使って見ていきましょう。
ボリンジャーバンドのチャート設定方法(スマホ編)
今回はGMOコインのスマホアプリ「ビットレ君」を参考に設定方法をご紹介していきます。
なおスマホを横向きに方向けると、チャートの領域が広く表示されるのでおすすめです。
以下の項目で、設定方法をご紹介していきます。
「Setting」からチャート設定を開き、「ボリンジャーバンド」にチェックを入れます。>矢印をタップすると詳細設定が開きます。

ボリンジャーバンドの「期間」は、移動平均線の期間のことです。
「内バンド」、「外バンド」はデフォルトでは±1σ、±2σになっています。最大で3σまで設定することができます。
中心線はお好みで20か21に設定してください。(移動平均線20か21という意味です。)

ボリンジャーバンドの設定値
中心線は基本的にSAM20かSMA21で設定されることが多いです。株や為替の場合、SMA20=5日営業日☓4週分ということで、中心線が4週間の平均値として算出されます。
仮想通貨の場合は、SMA21設定にし、3週間分の営業日の平均値として算出するとしっくり来るかもしれません。設定の仕方は各自それぞれです。ボリンジャーバンドの中心線はあまり変更がないほうが良いです。
かなり変形となり、従来の統計値からかなり乖離する可能性があります。おすすめはSMA20か21です。さほどテクニカル形状は変わりません。
ボリンジャーバンドの見方、スクィーズとエキスパンション

ボリンジャーバンドテクニカル用語では、現在スクイーズ中と表現することがしばしばあります。おおよその定義になりますが、ロウソク足がボリンジャーバンド±2σに収まり、狭い値幅の状態が続いていることをいいます。移動平均線、ボリンジャーバンド共に水平な状態になりやすく、相場が膠着状態の際に見受けられます。
ロウソク足がボリンジャーバンド±2σを勢いよく突き抜けると同時に、ボリンジャーバンドの幅が上下に大きく広がった状態。移動平均線に急な角度がつきます。上昇トレンドの初動を捉えるのに最適なテクニカル手法です。
ボリンジャーバンドは、スクィーズの状態を「レンジ相場」、エキスパンションの状態を「トレンド相場」として見分けられるので、レンジトレードも順張りトレードも実演できる、万能なテクニカル指標です。
初心者にもわかりやすく、そして上級者トレーダーでもボリンジャーバンド使いが世界中に多く存在し、日本のFX業界でも大人気なテクニカルの一つになります。
ボリンジャーバンドの手法と見方
この項目では、ボリンジャーバンドを使った以下の2つの手法を紹介します。
- レンジ相場のボリンジャーバンド逆張り
- トレンド相場でのボリンジャーバンド
【手法】レンジ相場のボリンジャーバンド逆張り

上の画像で、レンジ相場はどの数字から始まっていると思いますか?
少なくとも1の時点ではありませんね。少なくとも±2σを3回くらいはタッチしていて、かつ上下の値幅が同じくらいで水平線を引けるようならレンジ相場と思って良いでしょう。
1,2,3と上下を繰り返し、4で売りタイミング、5の-2σで決済しても良いです。また、6でレンジ上限で水平線と+2σにタッチしたのでここも売りポイントです。
7で3のレンジ下限とマイナスσにタッチしたのでここで決済、そして今度は買いのポイントになります。
ロウソク足がレンジ幅を越えてくればそこで終了です。
ポイントは、以下の点をを見極めることです。
- 少なくとも3回はボリンジャーバンドの±2σを行き来しているか
- 移動平均線、ボリンジャーバンド共に水平に近い状態か
- レンジ幅の上下に水平線が書けるか
FX業界では、スプレッドの狭い、ドル円やユーロドルの1分足や5分足でのレンジトレードが盛んです。
仮想通貨では、ビットコイン(BTC/JPY)が、流動性が高いのでオススメです。
ただし、スプレッドは為替と比較してしまうとさすがに見劣りしてしまいます。そのため、30分足や60分足でトレードをすると良いかもしれません。
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【手法】トレンド相場でのボリンジャーバンド
続いては、相場の3割にあたると言われるトレンド相場です。
つまりボリンジャーバンドが大きく拡大して、エキスパンションしている状態のときです。
この時のトレンド相場のポイントは以下の3点です。
- ロウソク足が±2σを勢いよく突き抜けているか。
- しっかりとスクイーズした後に、急なバンドが拡大が発生したか。
- 移動平均線の角度はどうか。
また、トレンドが発生すると、ボリンジャーバンド±2σ>±1σ>移動平均線の順に価格が抑えられて、それぞれが順張りするポイントになります。

このようにレンジ相場が長く続くほど、ブレイクアウト※からのトレンドは大きく成長することが多いです。
ブレイクアウトとは、チャート上で表示される価格がボリンジャーバンドを大きく上回った(下回った)状態のことです。発生回数は少ないものの、当てれば大変大きな利益を生みます。
仮想通貨FXですと、買いでも売りからでも入れるので収益機会は非常に多くなります。こういった点では、FXのほうが分があるでしょう。
【練習】ボリンジャーバンドで、順張りトレードを実戦!スクイーズを探せ!
最後にここまでの内容を踏まえて、実勢的なボリンジャーバンドの使い方を解説します。
①まずはレンジ相場を見つける

さて、では実践的にエキスパンショントレードをする際の下準備をしましょう。
この状態ではいつどのタイミングでエクスパンションするかわかりませんが、おおよそローソク足の終値が26本以上連続で±2σに収まると、チャンス到来です。少し気にかけていると良いでしょう。エクスパンションが成功しやすくなります。
「26本ルール」「52本ルール」と呼ばれる手法で、ローソク足が終値ベースで±2σ以内に、連続して52本以上形成すると、さらに高確率で成功しやすいです。
②チャートの変化を見逃さない
30分後、陽線が2本連続発生となり、少しボリンジャーバンドが広がってきました。
+2σを押し上げるような動きに見えます。疑いをかけて、次の30分足に注目をしてみましょう。
③急に価格が動くこともある
大きく大陽線が出現しました!
明らかに大きな買いが入っている証拠です。この時点では情報を掴んでいる筋しかわかりませんが、それでもボリンジャーバンドは素直に反応します。
このチャートの状況は、勝負をかける最重要局面です。
直近では最高値かもしれませんが、ボリンジャーバンド±2σ26本以内のレンジ相場で、エキスパンション発生しているということは、大きな上昇トレンド発生かもしれません。怖がらずに買いでついていくべきでしょう。
注文方法は、成行きで即座にエントリーです。早い人だと+2σにタッチした瞬間に買いでエントリーしてます。
④トレンド発生が確定

最終的に大きな上昇トレンド発生となりました。30分足という短い時間軸ですが、数万円の値幅を取ることができたでしょう。
このように、ボリンジャーバンドは順張りトレードにも大きく使えます。
特にエキスパンションの期間がどれだけ長いかは重要です。明らかに大きなエネルギーを蓄えている充電期間ですから、始まった際に安易な逆張りはやめるようにしてくださいね!
日足や週足ベースでスクイーズが続くと、価格をを押し上げるトレンドが発生しやすくなると思いますので、今後のトレードにぜひ役立ててください。

【まとめ】ボリンジャーバンドの見方・使い方
以上、レンジ相場、トレンド相場の見分け方とボリンジャーバンドを使ったトレード手法をご紹介しました。
兼業トレーダーの方は外出先からスマホアプリでチャートを見る癖もつけてくださいね!
次回は、ボリンジャーバンドを使ったマルチタイムフレーム分析や、よくある失敗例についてご案内したいと思います。
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記事作成:寺子 監修:ひろぴー