ブロックチェーンの仕組みをもっとわかりやすく!
もし、現在の100円玉にブロックチェーン技術が備わっていたら。
当コラムでは、ブロックチェーン技術がイマイチ理解できない、わかりやすく説明してほしい!っといった方々向けへの記事です。
今回は100円玉にブロックチェーン技術が備わっていたと仮定してお話をしたいと思います。
■100円玉硬貨は長旅をしている。
あなたのサイフに平成5年製造の100円玉があるとしましょう。
円を発行しているのは、もちろん日本銀行です。
この100円玉硬貨も平成5年、日銀が製造したものになります。もっというと、日銀が「独立行政法人 造幣局」へ指示を出して、造幣局の工場で硬貨が製造されたものが、世の中に出回っております。
100円玉は4.8gです。
材料は銅が750、ニッケルが250の材料比率で、直径22.6mmというサイズで、あの形と模様をつけて100円硬貨が完成されます。
その当時、平成5年に出来立た100円玉は日本銀行から、各行(UFJ銀行や三井住友、都市銀、地方銀など。)に配分され、そして世の中に出回ったはずです。
そして20年間の間に、人々のサイフやレジの中、自販機の中などを旅をしてきた100円玉があるとします。
こう考えると随分、感慨深いかもしれませんがたくさんの旅をしてきたことでしょう。
しかし、今、目の前にある100円玉が本物であるかは100%保障できるものではありません。
(もちろん犯罪であり、日本の硬貨は巧妙にできておりますので、なかなか偽物が作りにくい硬貨であることは間違いありませんが・・・。)
ですが、もし上記と同じ配合で全く同じコピー品ができたとしましょう。
それはおそらく、コンビニで使えるでしょう。(もちろんこれも犯罪ですが・・・。)
その偽物の硬貨は平成5年と記載されておりますが、実際は平成27年から流通したとしましょう。
世の中に出回っている100円玉が1個増えた計算になります。
もし本当に巧妙に作られていて、自販機や銀行の機械を通して本物だと認識されてしまえば、その100円玉は本物のように扱われるでしょう。
何が言いたいかと言いますと、平成5年に発行されたすべての100円玉が、今どこでどう保管されているかは誰もわかりません。
紛失してしまったり、朽ち果てて使い物にならないかもしれません。川底に落ちているかもしれません。側溝の泥底に沈んでいるかもしれません。
そして100円玉が本物か偽物かを見分けるには、100%判断ができるとは言い切れませんし、1個ぐらいは偽物が流通しているかもしれません。
現在の貨幣流通量の把握レベルはこの程度なのです。
■ブロックチェーン技術が備わった100円玉は全て取引履歴が把握されている。
しかし、もし、その平成5年に作られた100円玉の取引履歴が全て見ることが出来たらどうでしょうか。
最初の発行元が造幣局で日銀から○○銀行を介して、Aさんに渡りました。
平成○年○月○日何時何分何秒にBさんのサイフへ。何月何日何時何分何秒にCさんの貯金箱へ・・・・。
そしてD商店のレジの中へ・・・・などと。。。そして全ての取引がシリアル番号のように、暗号で管理できたとしたら・・・。
もし、100円玉にミクロのICチップが含まれており、取引履歴を全て把握できたら。
監視能力までも宿っており、友人間同士のお金のやり取りまで把握できたら。
市場に出回ったときからの履歴が全て残せるのであれば、銀行のATMにいれても間違いなく本物と認識されるでしょう。
実は、ブロックチェーンを採用したデジタル通貨ですと、上記のような履歴を全て把握して管理できるのです。
これらの履歴がわかると世の中にどのような改善が現れるでしょうか?
1.マネーロンダリングなどの不正が暴けます。
2.発行している貨幣すべて日本銀行が把握していれば、企業収益から税金、各個人の所得などすべて管理できるでしょう。
いわゆる、税収に大きく貢献されます。公平に税金の徴収が可能です。脱税が事実上不可能になります。
3.マネーの流通量が全て把握できるため、日銀の金融政策方針に大きく貢献します。もしかしたら、バブルや景気後退がコントロールしやすくなるかもしれません。
そして、もし突如平成5年と書かれた100円玉が平成27年から出現し、出所が日銀ではないと流通履歴がわかればどうでしょうか。
間違いなく偽物と判断されます。取引履歴に不備があったり、世の中に流通している貨幣の量から100円増えてしまったことが判明した瞬間に、どの硬貨や紙幣が偽物かが即時にわかります。
よって、
4.偽札や偽硬貨の流通を100%防ぐことができる。 ⇒ 新興国や発展途上国には特に、大いに、貢献されるでしょう。(汚職・賄賂や麻薬組織、反社会勢力へのキャッシュフローが一目瞭然となる。)
■ビットコイン・ブロックチェーンが安全だと言われる理由。
さて、100円玉を事例にあげましたが、おおよそのイメージが掴めましたでしょうか。
100円玉をビットコインに置き換えてみましょう。
ビットコインは0.001ビットコインだろうが、1ビットコインだろうが、100ビットコインだろうが、そのコインたちが旅した履歴が全て残されております。
1円以下の価値のビットコインであろうと、どこの誰のウォレットに入っているか、把握されているのです。
よって寸分の狂いもなく、世の中に供給されているビットコインの量が把握され、価値を保ち続けることができるのです。
ですから、ビットコインがこの世の中に生成されて、最初の取引から最新の取引まで履歴を追うことができ、それを完璧に管理できるのです。
実はこの管理されている履歴は10分置きにファイリングされており、1時間で6個のファイリングが、24時間で144個のファイリングがされているのです。
このファイルボックスされている記録の1つをブロックと表現します。
そしてこのブロックが永遠に連なって整理されているのです。
■ファイリングされたデータがブロックチェーン!
この莫大なデータが蓄積されているのがブロックが沢山チェーンになって管理されております。
もうお判りでしょうか、このように管理されているから「ブロックチェーン」と呼ばれているのです。
ビットコインに限らず、新しく作られている仮想通貨の大半がこのブロックチェーン技術をベースを採用しております。
1つ1つの仮想通貨の取引が本物か偽物かどうかを判断できるようになっているからです。
如何でしょうか?ブロックチェーンの由来と流通している貨幣の履歴を追うことができますと、ここまで管理が可能になるのです。
これが実現すると、世の中の電子商取引システムが大幅に改善されると期待を大変込められております。
送金・取引革命と言われる由縁です。
実はすでに北欧では貨幣の電子化が進んでおりまして、ノルウェーやスウェーデンなどが2020年を目指して、すべての貨幣を電子化させる方向で中央銀行が働きかけているのです。
おそらくですが、今後も世界各国で似たような動きが出てくるでしょう。
ひとまず、仮想通貨のブロックチェーンについて、少しはイメージが湧きましたでしょうか?
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