出所:bloomberg 2018.1月の記事参照
ベネズエラのマドゥロ大統領は、青少年および学生の取り組みを支援するため、同国が発行した仮想通貨「ペトロ」による仮想通貨銀行の立ち上げを発表しました。ベネズエラの法定通貨、ボリバルを事実上廃止方向のようです。
マドゥロ大統領は、若者の雇用促進プログラムである「青少年の仕事(Chamba Juvenil)」プランに関するスピーチの中で仮想通貨銀行の構想も打ち出しています。
デジタル仮想通貨銀行は2000万ペトロの資金が提供される予定であり、これはマドゥロ大統領いわく12億ドルに相当します。
ペトロのプレセールは2月20日から3月19日まで行われ、127ヵ国の投資家から38億ドルを調達したとされてとコインテレグラフが報じました。
この取り組みは、グローバル経済における官製仮想通貨の役割を巡り、国際的に物議を醸しており、米国はこのペトロの支援に対しては反対の声明を発表しております。
事実上破綻したベネズエラ経済。通貨ボリバル⇛ペトロへ。
現在、南米ベネズエラでは大変なハイパーインフレとなっており、添付チャートのように2年前の米ドル比で価値が10万分の1から20万分の1単位にまで下落をしているため、事実上経済は破綻しております。
数年前の原油価格暴落からベネズエラ経済は悪化し、原油輸出産業を中心としているベネズエラは赤字貿易が続いていたことが原因です。
3月末時点でのインフレ率が前年比8878%に達したと発表されており、2月末時点では6147%だったが、物資不足で国内の治安も悪化が続いております。
先日同じ南米のアルゼンチンは政策金利を40%に設定し、近隣の国々にも影響がでております。
また日本のFXトレーダーに人気ある同じ高金利通貨トルコリラもここ最近は売られており、先日トルコ中銀も政策金利も15%近くまで引き上げました。
米国の利上げに伴い、長期金利が上昇しております。その結果、新興国通貨の下落が歯止め効かなくなってきており、それはリスクオフに傾きつつあるのではないでしょうか。
ハイパーインフレが続くなか、ベネズエラ中央銀行はインフレ率の公開を取りやめており、野党が多数を占める議会が独自に算出しているようです。
ベネズエラのマドゥロ大統領はインフレや物資不足について「米国がしかけた経済戦争だ」と主張。同国の仮想通貨「ペトロ」の流通や、ボリバルの通貨単位を1000分の1に切り下げるデノミ政策でインフレに対抗する構えのようです。
またデジタル通貨ペトロのリリースの背後にロシアの影がチラついており、支援の手も差し伸べはじめているようです。
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