Lisk Relaunch Event – February 20th, 2018
2月20日リブランディングイベント(ベルリンにて)が開催されました。
もくじ
前編
- 新ロゴの発表
- 新ホームページについて
- Liskのコア
- 新ウォレット&エクスプローラ
- Lisk Academyについて
後編
- 開発者ターゲットはLISKcore2.0.0に。
- LISKの資産と予算執行について
- まとめ
もくじ
〚後編〛
前編は→こちら
さて、後半は4人のパネルディスカッション形式で行われました。
進行役:Thomas Schouten(マーケティングリーダー)、Oliver Beddows(最高技術責任者)、Will Clark(フルスタックエンジニア)、Iker Alustiza(暗号学者)の4氏です。
後半もビデオから入りました。2分弱の「What is Lisk?」というタイトルの動画です。こちらもYouTubeにアップロードされているのでいつでも見ることができます。(https://youtu.be/BnMrIgSoiJQ)
内容はLISKのプラットフォームを使っていろいろな事に応用でき、次世代のインターネット社会を築くブロックチェーン技術はLISKシステムです。というプロモーションビデオです。
注目のLiskCore1.0についても言及がありました。
4.開発者のターゲットはLiskCore2.0に。
今回のイベントではLiskCore1.0は完成しており現在テスト段階であるとの事ですが4週間から6週間後(ということは4月前半でしょうか)にβ版をリリース(現在91%まで完了しているようです)出来ると答えていました。
実際には正式版「LiskCore 1.0」がリリースされるまでにさらに時間が掛かると予想されます、それ故市場では「期待ハズレ感」かLISK価格は徐々に落ちているようにも見えます。
現在進行中の「LiskCore1.0」とは何でしょう?ようやくここで具体的な内容が出てまいりました。
(Lisk Relaunch Event – February 20th, 2018 公開ビデオより)
1.新しいAPIのデザインと実装
2.ピア・ツー・ピアのトランスポートレイヤーの書き換え
3.ブロック生成をより早く完結するためのデータベース構想の書き換え
4.64Byteデータフィールドの追加(オプションメタデータ等を実装できるよう変更)
5.LiskHQ内でのスタンダードチームの結成
ここには技術的なアクションでしか書いていないので何がどうなるとか一般の人には分かりづらいですよね!
ざっくり言うとこれらのコードの書き換えにより従来よりトランザクションの処理時間を短縮し、より多くのデータを短時間に処理できるようにするつまり、スケーラビリティを上げる事に時間を費やしているようです。
APIを一般に公開するということはたくさんの人達が同時に使いブロックチェーンにアクセスが増え処理に負荷がかかるのでどこまで効率的なシステムにするかと言うことです。
もちろんハード的に数を増やせば処理負荷は分散するのですが、そのためLISKではサイドチェーンと呼ばれるメインとは切り離したシステムを持っているということが最大の特徴です。
よって、母体である、メインチェーン自身のトランザクション処理量をそこまでオーバースペックにしなくても、議論の余地はそこまでないと考えていたのですが、妥協はしないようです。
LISKは10秒に1ブロックを生成できますが、その1ブロックの処理量をどこまで増幅させられるか、これから具体的な数字が出てくるのではないでしょうか。
また開発者は既にLiskCore2.0に向かっていることは間違えありません。
正式には何も発表されていませんが、パネルディスカッションのなかでチラッと話しが出ていました。
今後の2.0リリースで本来のLISKが確立してくるのではないでしょうか。
*トランザクションフィー等の改定
(Lisk Relaunch Event – February 20th, 2018 公開ビデオより)
次にIker Alustiza氏より現在の必要なネットワークフィーについて述べられました。
昨年(2017年)の今頃のLISK価格は50~100円前後でしたから現在の手数料比較すれば高くはありませんでした。
しかし、現在では20倍以上になっていますからウォレット(LiskNano)を開設するだけで(最低30LISK)7〜8万円かかる計算になります。
いくらに改定すべきか発表はありませんでしたが現行よりは安くなることは誰でも望むところです。
ただ現在の固定額から変動制を考えているようです。また、価格改定のタイミングはLiskCore1.0リリース後となるようです。
送金手数料は0.1LISK 固定ですので、今後改訂に期待したいところです。例えば、ドル建てで10ドル未満は0.1LISK、100ドル未満で0.01LISKと、縮小して言ってもらえると一定の送金手数料幅が変動するので便利になるのではないでしょうか。
*LiskElementsとは
Lisk ElementsとはLisk Coreに接続するサブシステムのようなものです。
以前はJSと呼ばれていたシステムです。
特徴としてはやはりJavascriptで完結するのですがこの部分の開発にはネットワークに接続されていなくても開発が可能だそうです。
つまりセキュリティー面で有利だと言うことです。
実際にはスライドにあるようにトランザクション、API、constants(定数定義)、Cryptography(暗号化システム)、passphrase(パスフレーズ)をモジュール化して個々にダウンロード可能にする計画です。
こちらも実際にはLiskCore1.0が正式リリース後になります。
*LiskCommanderについて
さて、もう一つ技術的なコアな部分ではありますがLiskCommander(コマンダー)についての説明がありました。
liskコマンダーはElementsをコントロールするためのプログラマー向けのコマンドラインで動作させるツールです。
また、コマンドは基本的なコマンドセットや便利な機能を持ったコマンドが用意されているそうです。
実際には独自のサイドチェーンを開発するためにSDKをダウンロードしその中には開発に必要なツールが全て含まれます。
サイドチェーンのカスタマイズにより独自のカスタムトークンを作ることも可能との事です。
イメージ的にはイーサリアムのスマートコントラクトと同様と捉えて良いと思います。
LISKの特筆すべき点はjavascriptでプログラミングできるので、これらのツールを利用して容易にiPhoneやAndoroidアプリができると言うことです。
5.LISKの財務概要と予算執行について
締めには、CEOのMax Kordek氏の登場です。
LISKが所有する、現資産と2018年以降の予算執行額を公表しました。
現在の総資産は色々合わせて3億スイスフラン持っているとの事です。(日本円@112.6円=約338億円 )
2018年はこの内2500万スイスフラン(約28億円)を充てています。予算の内訳は何も発表されていませんがまだまだ資本を多く抱えているようです。
現在、日本円でLISKは1400円前後ですので、株式的にいうと、PBR4倍といったところでしょうか?
割高感はありますが、仮想通貨の開発元ということを考慮すると安すぎるかもしれません。
しかも公表をしている開発元がどれだけいるでしょうか?
こういった健全な姿勢は本当に賞賛に値します。
今後の開発費は2019年は倍の5000万スイスフラン(約56億円)、さらに2020年は8000万スイスフラン(約90億円)の出費も予定しているとのことです。
東京五輪では世界中の人達がスマホでLiskPay(←勝手に作っちゃいました)使ってるかも?!ですね(笑)
*OpenSourceProjectsにスポンサードする
また、Max Kordek氏はOpenSourceProjectsにスポンサードすると述べておりましたが、詳細については発表はありませんでしたが、その一部メンバー(2名)を雇い入れると公表しました。
CEO自らスイスで働きたい人は是非応募してくださいと、LISKのスイス本部では人材募集をしているとのことでした。
最後はLISKのプロモーションビデオ「Create The Future」で終わりました。
こちらもYouTubeに上っております。(https://youtu.be/rTgAC-XTInI)
6.LISKリブランディング・まとめ
私の印象ではlisker(LISK保持者・LISKファン)への再認識とLISK自身の再出発(タイトル通り)という印象を受けました。
つまりLISKはトークンの値を上げる事だけが目的ではなくLISKのシステムつまり、将来インターネットの新しい利用技術の可能性を秘めたブロックチェーンシステムを多くの人に使って貰えるような基幹システムを構築すると明言しています。
その結果、利用度と信用が上がり、結果的にトークンの値も上っていくという考え方が自然ではないでしょうか。
今回のイベントの中でIker Alustiza氏が「インターネット3.0」と言及をしておりました。
つまり(日本式の言い方では)WEB2.0から3.0へ次元移行する中でLISKのブロックチェーン、サイドチェーンシステムがインターネット社会の根幹になるだろうとしているのです。
システム的には既に国内で開発されている「mijjin」や「miyabi」と同様ですが、LISKの特徴はLiskCoreのAPIを公開して、より多くの人達に使って欲しいと考えているようで、ブロックチェーンのスタンダードを目指しているのです。
このイベントの中で何度も何度も繰り返し述べており、これが今回のメッセージではないかと考えております。
ユーザー側はサイドチェーンと呼ばれる基幹ブロックチェーンのサブチェーンをJavascriptで使えるという垣根の低さをアピール。
そのため、アカデミーというメニューを構築しその情報を一般ユーザーに公開し、より理解を深め、より多くのアプリ開発者を歓迎しているようです。
今回のリブランディングにより「ホームページを刷新し、ロゴを変えただけじゃないか!」という方も多いとは思いますが、LISKの今後の活動や方向性が明確化した事によりLISKの信用度を上げた素晴らしいリブランディングイベントではなかったでしょうか。
現在、LISKを購入できる取引所はbitFlyerのみですが、coincheckの復活、新たな取引所の取扱いスタートなどにも期待したいところですね!
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