今回の仮想通貨に対しての動向はフィリピン編をお送りいたします。
フィリピンでは国内総生産(GDP)の10%を海外からの送金で賄っております。
出稼ぎ労働者が世界中にいるからです。日本でも東南アジア人の労働者もよく見かけるのではないでしょうか。
国際送金を頻繁に行うフィリピン人の間でもビットコインなどの仮想通貨の認知度が上がっており、年々祖国への送金にビットコインを使うユーザーが急激に増えてきているようです。
今回はその事例を紹介したいと思います。
■数年前までフィリピンではビットコインに否定的だった。
【2014年3月頃】
下記のようなニュースがフィリピンでいくつもありました。
「フィリピンの規制当局、デジタル通貨に関する警告」
・仮想通貨ビットコインに対しての規制ではなく、安全性の問題を政府が警告。
・フィリピンの中央銀行(BSP)も同様に下記のような警告を発信。
・ビットコインのようなデジタル通貨が「現在フィリピンで交換されている」と認めているが、比較的危険な投資である。
・デジタル通貨やデジタル通貨の交換は国の規制当局によって規制されていない。
・デジタル通貨を保有する企業が下回った場合、消費者は損失から保護されない。
・盗難のリスクは現実的であり、デジタル財布は完全に安全ではない。
・ビットコイン用の商品やサービスを購入する消費者は、何か問題が生じた場合の消費者保護規制に頼ることができない。 誰も交換を保証することができない。
併せて当局はデジタル通貨の誤用は犯罪捜査や資産凍結につながる可能性があり、誠意を持って行動した投資家でさえ、広範な調査の一環として資産を凍結させることになる、っと。
このようにフィリピン当局は懐疑的なイメージを発信しデジタル通貨に対して後ろ向きな声明を発表しておりました。
■2016年6月~ 規制強化の始まり。
2016年6月上旬、フィリピンの中央銀行は、銀行や代替金融機関のサイバーセキュリティーシステムを改善するため、ビットコイン事業者に対して規制する計画を発表しました。
以前起きたバングラデシュ中央銀行からフィリピン外為ブローカー企業への大規模な不正送金詐欺が発生したことを受け、新たにサイバーセキュリティポリシーを定めセキュリティの強化に力を入れた模様です。
そして中央銀行ではハッキングなどの対策を行う新たな部門、IT管理グループが設けられたようです。
対して、フィリピンのビットコイン事業者は、フィリピン人に対し簡単にビットコインの購入販売、そして決済が行えるようにして大きく普及させユーザーを獲得し成功してきました。
またCoins.phはフィリピンのユニバーサルバンクであるSecurity Bankとパートナー契約を結び24時間購入可能なビットコインATMの提供まで行っています。
そんな盛り上がりを見せているときに水を差された形になりました。
しかし、消費者保護のための必要最低限の措置が取られ始めたのも事実です。