2020年12月、国内仮想通貨取引所にTezos(テゾス:XTZ)が初上場しました。
しかしTezosの日本語情報は、まだ少なく…
- 「Tezosを”詳しく”知りたいけど、どのメディアも似た情報ばかり……」
- 「取引所のTezos解説ページを読んでも、本当に投資していいのか迷う」
と思う方が多いことでしょう。
そこでこの記事では、Tezosの投資判断に必要な情報を、TezosのホワイトペーパーやTezos財団のHPなどの一次ソースからリサーチし、まとめました。
読み終わった頃には、Tezosの購入可否や投資のタイミングを見定められるでしょう!
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XTZの取引サービス | ・販売所 ・貸し暗号試算(レンディング) | ・販売所 ・かんたん積立 |
現物スプレッド (12/28計測) | 0.4% | 0.13% |
現物レート(12/28計測) | 買:¥218 売:¥209 | 買:¥228 売:¥197 |
レンディング利率 | ・年率1%コース(1ヶ月) ※それぞれ300XTZから可 | - |
XTZ送金手数料 | 無料 | 0.1XTZ |
ホームページ |
もくじ
Tezos(テゾス)とは
Tezosは、スマートコントラクトを実行するための、オープンソース型ブロックチェーンです。
Tezosの一番の特徴は、「自己修正型のブロックチェーン」として、ハードフォークが起こらないような設計がされている点です。
アップデートや内部抗争などのハードフォークリスクがないため、仮想通貨取引所などの事業者もXTZ(テズ:Tezos内の通貨)を取扱いやすい仮想通貨と言えます。
Tezos(テゾス)の基本情報
Tezosの基本情報は下記の通りです。
情報 | 内容 |
---|---|
ホワイトペーパー発表 | 『Tezos — a self-amending crypto-ledger White paper(自己修正型暗号資産台帳)』2014年9月2日 |
ブロックチェーン稼働開始 | 2018年6月末 |
通貨発行枚数 | 7億4,000万TXZ(テズ)※2020/12末時点 |
最大発行枚数 | 100億TXZ |
主な用途 | スマートコントラクト手数料、トークン発行、資産(アセット) |
スマートコントラクト 開発言語 |
Michelson(マイケルソン) |
コンセンサスアルゴリズム | POS(LPoS:Liquid Proof of Stake_リキッド・プルーフオブステイク) |
報酬形態(XTZ新規発行) | ステーキング(俗称ベーキング:baking) |
ブロック生成時間 | 1ブロック1分間 |
ブロックサイズ | 512KB(キロバイト) |
ステーキングサイクル | 4,096ブロック(2日と20時間16分) |
ステーキング報酬/1ブロック | 18XTZ(内16XTZ=ブロック報酬、2XTZ=承認報酬) +ブロック内のトランザクション手数料 |
ステーキング資格 | 8,000TXZ |
インフレ率/年 (マネタリーベース) |
5.51% |
半減期 | ナシ |
送金処理速度/秒 | 約30〜40トランザクション |
ブロックチェーン稼働開始 | 2018年6月末 |
通貨の主な流動元 | ベイカーによる売却、ICO参加者の売却、財団の助成金支給 |
アップデート手段 | 32,768ブロックまたは約22日18時間毎の「4段階自己修正プログラム」(ハードフォーク不要)
|
次の項目からは、上記の基本情報の中でより投資判断に役立つ項目を、深く掘り下げて解説します。
【分析解説】Tezos(テゾス)の発行枚数と供給率分布
Tezosを取引する上で、XTZ(テズ)の経済政策や市場へ供給情報は外せません。
XTZの最大発行数は100億枚と定められていますが、現在の新規発行分である18XTZ/分のペースでは、最大発行数に達するのに約900年かかる計算です。
加えて半減期がないので、ビットコインのような”貴金属”的な価格推移は見込めません。
なおTezosのホワイトペーパーでは、年間5.51%インフレするように設定されていると記載があります。
日本のインフレ率は0.5%〜1.5%、ビットコインが2.5%程ですので、Tezosは比較的インフレしやすく、また発行上限もないに等しいため、プロジェクトの進展ナシにTezosの価格上がるケースはないでしょう。
テゾスホルダー分類 | XTZ(テズ) |
---|---|
ICO発行 | 607,489,041 |
ステーキング報酬 | 269,584,355 |
テゾス初期開発会社(DLS) | 76,330,693 |
テゾス財団 | 76,330,693 |
初期出資者 | 3156503 |
Tezos(テゾス)の過去のイベントと価格変動傾向
Tezosはどのように価格変動するのでしょうか。過去のできごとからTezosの価格変動傾向を洗い出してみます。
日時 | 内容 |
---|---|
2014/9/2 | ホワイトペーパー『Tezos — a self-amending crypto-ledger White paper(自己修正型暗号資産台帳)』を発表 |
2017/6/30~7/13 | Tezos FoundationがICOで2億3,200万ドルを調達 |
2017/10 | ICOが証券詐欺に当たる可能性が発覚 |
2019/5 | 第1アップデート「アテネ」実施。ガス制限の強化・ ロールサイズを8KXTZに縮小 |
2019/5 | Huobi(フォビ)でTezosのベーキングサービスが開始 |
2019/8/5~9/5 | Coinbase(コインベース)・etro(イートロ)・Binance(バイナンス)にTezosが上場 |
2019/10 | 第2アップデート「バビロン2.0 / 2.1」実施。 ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズム(Emmy +)をより堅牢化。スマートコントラクト開発のシンプル化。委任プロセスの改善 |
2020/3 | 第2アップデート「カルタゴ2.0」実施。 ブロックおよび操作ごとのガス制限の増加。ベーキングと承認の報酬計算式の精度を改善。様々な小さな問題の修正 |
2020/4 | バイナンスでゾスステーキング開始 |
2020/5 | ラテンアメリカ最大の民間投資銀行がTezosで不動産トークンを発行 |
2020/5 | コインベースでゾスステーキング開始 |
2020/8 | 証券詐欺に関する集団訴訟は、Tezosが2500万ドルを支払う方向で示談へ |
2020/11 | 第2アップデート「デルファイ」実施 ガスコストを改善。基盤となるストレージレイヤーの改善し、ストレージコストを4分の1に削減 |
結論としてTezosは、訴訟解決やユーティリティ(実用化)に関するニュースでは上昇しやすい一方で、アップデートや取引所上場のニュースでは上昇と下落が五分五分といった印象でした。
- Tezosが上昇しやすいニュース
- 訴訟解決
- ユーティリティ(実用化)
- Tezosが上昇又は下落しやすいニュース
- バージョンアップ
- 取引所上場
ユーティリティ系のニュースでは、STOやDeFiなどの発展性から新規ホルダーが参入していそうです。
しかし一見価格上昇しやすそうな取引所上場ですが、ICOホルダーやベイカーが売却しているため下落している可能性があります。
アップデート時のハードフォークで急落しないのはTezosの優位性
Tezosのブロックチェーンは、アップデートの時にハードフォークを共なわないように設計されています。
そのため2020年末までに4回のアップデートをしていますが、仮想通貨の分裂による急落は起きていません。
ところがアップデート直後に価格が下落している時があるため、アップデート前後は保有や売買は控えた方が良さそうです。
これらを踏まえると、Tezosの購入がオススメなタイミングはユーティリティ系のニュースが出た直後で、逆に購入してはいけないタイミングは、取引所上場やアップデートの直後だと言えます。
ICOでのTezos(テゾス)価格
Tezos(テゾス)は、2017年当時にして最大のICO(資金調達)を行ない、一躍有名な仮想通貨になりました。
詳細は下記の通りです。
ICO項目 | 情報 |
---|---|
ICO実施 | 2017年6月30日〜7月13日 |
ICO調達額 | 2億3200万ドル (65,000BTC+361,122ETH) |
ICO発行枚数 | 約6億750万XTZ |
ICO時の価格 | 0.47ドル/1XTZ |
その後EOS(イオス)とTelegram(テレグラム)がより巨額のICOを実施しましたが、2020年12月時点で調達額第3位に位置していることから、最もICOを成功事例の1つとして挙げられます。

なおTezos財団は、ICOで調達した資金の用途を、四半期毎にレポートで公表しています。
日本語訳もされていますので、気になる方は読んでみると投資判断の一助になるでしょう。
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XTZの取引サービス | ・販売所 ・貸し暗号試算(レンディング) | ・販売所 ・かんたん積立 |
現物スプレッド (12/28計測) | 0.4% | 0.13% |
現物レート(12/28計測) | 買:¥218 売:¥209 | 買:¥228 売:¥197 |
レンディング利率 | ・年率1%コース(1ヶ月) ※それぞれ300XTZから可 | - |
XTZ送金手数料 | 無料 | 0.1XTZ |
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Tezos(XTZ)価格とビットコインやイーサリアムの相関性
Tezos(XTZ)の価格の相関性を、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)から分析します。
結論は、大きなトレンドでは多少相関性がありますが、それ以外は相関性があまりない通貨と言えます。
しいて言えばイーサリアムの値動きに近いですが、相関していない時も多々あります。
また2020年9月からの、ビットコインを主軸とした大きな上昇トレンドに。XTZは便乗できていません。
これは市場からの認知度が低いために資金が流入しにくかったり、ICOホルダーの売り圧力がまだ多くあるからでしょう。
Tezos(XTZ)価格のボラティリティ傾向
Tezosの価格の特徴には、独特なボラティリティの高さがあります。
これまでの目立った傾向としては、数日から数週間かけて、2倍の価格まで推移した後、1日から2日の間に元の価格まで急落したケースが2回ありました。
その急落時のボラティリティは、平常時の2〜5倍以上なので、上手に売り抜けるのは困難でしょう。
やはり約6億750万XTZ(当時の価格にして約250億円以上)も配布しているため、多大な売り圧力が控えているので、このように”コツコツドカン”な相場傾向なのでしょう。
この相場傾向は、テゾスが実用化するまでもう数年以上は続くでしょう。
Tezosのリアルタイム価格チャート
Tezos(XTZ)の価格は、TradingView(トレーディングビュー)を使えば、複数の取引所のXTZ価格を1つの比較できたり、出来高分析ができたりします。
TradingViewは、Tezos以外にも仮想通貨やFXトレーダーにオススメできるクラウドチャートツールです。

Tezos(テゾス)の今後・将来性
Tezosの将来性を、下記3点でレビューします。
- ブロックチェーンの特性
- 財務
- 通貨設計
ブロックチェーン特性的には柔軟性があり、安全性が高い
ブロックチェーンの特性では、Tezosは“自己修正型”として他の仮想通貨とは異なります。
良く言えば、臨機応変な開発やプロジェクト進行ができ、ハードフォークトラブルを避けられますが、悪く言えばブロックチェーン参加者達次第でプロジェクトがどうにもなってしまう側面があります。
ですが“スマートコントラクトのプラットフォーム実現”という理念が掲げられているので、大きく逸脱することはないでしょう。
財務情報は日本語情報も多く健全
財務的には、Tezos財団が一任しています。HPを見る限りでは、ニュースやブログの更新頻度が高く、また4半期毎の財務報告は40P以上かけて詳細に説明しているので、健全に運営されていると言って良いでしょう。
またTezosを使ったプロダクトや研究への助成金を、2020年第2四半期では18億円以上支給していて、数年後への投資活動をしっかりしています。
これはICOで当時250億円以上調達したからこそできる、Tezosの強みです。
またTezos財団は、XTZを市場の全10%しか保有していませんので、運営による価格操縦対策がされているのは好印象です。
トレードは通貨設計的に難しいか
Tezosの通貨設計には、多少引っかかる点があります。
発行上限がほぼないに等しかったり、年間インフレ率が5.5%と比較的高だったり、ICOで大量のXTZを配布していたり等を踏まえると、今後そう簡単に価格上昇しないように思えます。
XTZを長期投資するならば、1〜2年と言わず5〜10年スパン程で考えていた方が良さそうです。
またXTZを短期売買するなら、上昇後の急落に注意しましょう。
Tezosの今後のアップグレード
Tezosは自己修正方ブロックチェーンなので、明確なロードマップを定めていません。
ですが、今後ブロックチェーンに導入予定の項目は下記と通り公表しています。
- Tezosの今後のアップデート項目
- プライバシー保護トランザクション
- シャーディング
- セカンドレイヤー
いずれのアップデートも、すでにイーサリアムが取り組んでいる技術ですので、市場へのインパクトは大きいとは言えません。
プロジェクトの競合はイーサリアムとされていますが、開発的には少し後ろをは知っているように見えます。
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XTZの取引サービス | ・販売所 ・貸し暗号試算(レンディング) | ・販売所 ・かんたん積立 |
現物スプレッド (12/28計測) | 0.4% | 0.13% |
現物レート(12/28計測) | 買:¥218 売:¥209 | 買:¥228 売:¥197 |
レンディング利率 | ・年率1%コース(1ヶ月) ※それぞれ300XTZから可 | - |
XTZ送金手数料 | 無料 | 0.1XTZ |
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Tezos(テゾス)の仮想通貨取引所紹介(日本国内)
国内でTezosの売買及びステーキングができる取引所を紹介します。
GMOコインならTezosのレンディングもできる

GMOコイン は、Tezosの販売所に加えて、Tezosのレンディングサービスも提供しています。
300XTZからレンディングでき、期間は1ヶ月と3ヶ月から選べます。またGMOコインは国内で最も安く、Tezosを販売しています(ビットコインFX調べ)。
Tezosの長期投資を考えている人は、 GMOコイン で購入してそのままレンディング3ヶ月コースを1年(4回分)運用すれば、安定して年3%Tezosを増やせます。
仮想通貨のレンディングとステーキングの違い
レンディング | ステーキング | |
---|---|---|
対象通貨 | 取引所が指定する通貨 | PoS系通貨のみ |
利率変動 | ナシ | アリ |
通貨のロック | アリ | アリ |
途中解約 (償還前ロック解除) |
可(要手数料) | 可 |
利益が出る理由 | 取引所の運用益 | 取引所のステーキング報酬 |
利率 | 低め | 高め |
仮想通貨のレンディングとステーキングの大きな違いは、利率の変動の有無です。
そもそもレンディングは、取引所が顧客から通貨を借り、取引所はその通貨を何らかの方法で運用して利益を狙っています。顧客のレンディング利率は通貨の貸出料な訳です。
一方ステーキングは、取引所が顧客の通貨をステーキングし、得たステーキング報酬を顧客に分配します。ステーキングはその時により報酬額が変動するので、ユーザーのステーキング利率も一定期間毎に変動するのです。
共に通貨がロックされるサービスですが、より安定的に運用したいなら”レンディング”を、逆にアクティブに高利率を狙うなら”ステーキング”を選ぶと良いでしょう。
Tezosのステーキングをもっと知りたい人は「Tezos(テゾス)ステーキングマニュアル|Binance(バイナンス)で利率7%超」もご覧ください。
国内最大手のbitFlyerでTezosを購入
実は国内で一番最初にTezosを上場させたのはbitFlyer(ビットフライヤー)です。
販売所の画面が見やすく、仮想通貨の売買に慣れていない人でも簡単にTezosの売買ができるでしょう。bitFlyer(ビットフライヤー)
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XTZの取引サービス | ・販売所 ・貸し暗号試算(レンディング) | ・販売所 ・かんたん積立 |
現物スプレッド (12/28計測) | 0.4% | 0.13% |
現物レート(12/28計測) | 買:¥218 売:¥209 | 買:¥228 売:¥197 |
レンディング利率 | ・年率1%コース(1ヶ月) ※それぞれ300XTZから可 | - |
XTZ送金手数料 | 無料 | 0.1XTZ |
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