―10月21日配信―
押さえておきたい節目
株式市場を見ると、今後のビットコインも堅調な推移が予想されます。
ビットコインと相関性が高いハッシュレートから、理論値を見ておきましょう。
◆過去3カ月のビットコインのハッシュレートの推移
期間:7/6~10/5期間:7/15~10/14 出所:CoinWarz
ハッシュレートは、振れ幅が大きいながらも着実に上昇。直近は平均140EH/s程度で推移しており、160EH/sを超える日もしばしばあります。
金融情報配信会社であるフィスコのハッシュレート分析によると、ビットコインの妥当価格は109万円程度。なお、8月の妥当価格は90万円台後半でしたので、短期間で下値水準が大きく切り上がっています。
また、ウィリー・ウー氏が考案したNVT(Network Value to Transaction)によると、ビットコインの妥当価格は111万円となっており、これも1か月前と比べると大きく上昇。
これらから、ビットコインは理論価格で推移していることが分かります。
ただし、大手企業のビットコイン購入や金価格の上昇。また、主要金融商品のなかでの今年の上昇率はビットコインであることなど明るいニュースが揃っていることを考えると、10月前半時点での価格(110万円~113万円)はやや割安。10%程度のプレミアムを考慮すれば、120万~125万円程度は妥当価格といえるのではないでしょうか。
ビットコインのアクティブアドレスの推移は堅調。8月の平均値は100万程度と、2018年1月以来の高値水準で推移しています。
ユーザー数が増え続けており、企業がインフレヘッジを目的としてビットコインを購入するなどといった新規マネーの流入も続いており、これから水準を切り上げていくと思われます。
◆ビットコインのアクティブアドレス数の推移
期間:2017/10/16~2020/9/13
出所:https://studio.glassnode.com/metrics?a=BTC&category=Addresses&m=addresses.ActiveCount&s=1439640845&u=1597320845&zoom=1825
次に気にしておきたい節目が、9月の戻り高値である116万円付近。
筆者の計算によると、ここは米ナスダック上場企業であるマイクロストラテジーの建玉水準であり、それが意識されているのではないでしょうか。また、2月までの年初来高値の水準でもあり、非常に意識されやすい価格帯であるということが分かります。
▼マイクロストラテジーのビットコイン購入履歴
8月11日:2億5000万ドル(約263億円)
9月15日:1億7500万ドル(約184億円)
合計:4億2500万ドル(約447億円)
平均建玉:116万6000円
大枠では、およそ15万円刻みで相場を形成しています。そして、米スクエア社のビットコイン購入が報じられた後に、この水準を突破した際にはわずか10分で3万円以上も急騰することとなりました。レバレッジを掛けたポジションのストップロスを誘発した動きです。
今後は、そこがサポートラインとして機能するようになり、そして現在のビットコインは、ざっくりと115万円から130万円のステージに移行しているのではないでしょうか。
◆ビットコイン12時間足チャート
期間:7/18~10/14
まとめ
2019年9月は、期待の高かったビットコイン先物プロバイダーのバックト(Bakkt)が開始したものの、出来高が伸びず厳しい船出となりました。そこにリブラ(Libra)への対応も含めた米証券取引委員会(SEC)に関する公聴会が重なったことで、ビットコイン相場は売られ、ストップロスをトリガー。9月24日は1日で20万円という大暴落が発生しました。
しかし、月末になると中国習主席が「ブロックチェーンを技術革新の核として推進」と発言。今度は、2日で80万円から113万円まで急騰するドラスティックな相場となりました。
9月に20万円ほど下落したという値動きのパターンとしては、昨年と似ています。今のところ、昨年のように強烈な好材料が出てくる様子はありませんが、中国ではデジタル人民元をはじめとして数々のブロックチェーン開発が進んでいることを考えると、もしかしたら何かしら飛び出してくる可能性があるかもしれません。