TradingViewの新機能「ローソク足パターン」の見方・使い方をテクニカルアナリストが解説

みなさんは特徴的なローソク足から相場の転換をいち早く察知したい、ローソク足のパターンで売買判断の一助にしたい、などと思ったことはありませんか?
そうとは言っても、そんなに見つかるものでもないよね、、、と諦めてしまってはいないでしょうか。
TradingViewの新機能「ローソク足パターン」なら、自動で狙ったローソク足パターンを検出できます。そんなの従来の証券ツールでもたくさんあるよ!と思った方は、ぜひこの記事を最後まで読んでいってくださいね。「ローソク足パターン」機能を余すところなく説明するので、従来のものと全然違うことがわかるかと思います。
それでは、ローソク足の種類をおさえつつ、TradingViewのローソク足パターンの新機能の特徴と使い方をみていきましょう。

そもそもローソク足分析って役に立つの?

ローソク足は、時間と価格の要素から成り立っています。大陰線や小陰線だけでできている上昇相場は原理的にないですし、逆も然りで陽線だけでできている下落相場もありません。
例えば、1時間足で高値更新して陽線が10本続いて、1時間分の上昇が次の5分でなくなり、上ヒゲをつける足になったとします。天井圏でよく見られる反転の兆しということで、短期的に売りが出ているということで、ローソク足は投資家心理を表しています。
なので、特徴的なローソク足のパターンを覚えておくのは、相場の転換・持続・方向性の予測に役に立つのです。

新機能・TradingViewローソク足パターンとは?

機能・TradingViewローソク足パターンは、利用可能なデータ範囲でローソク足のパターンを矢印で検出できる機能です。
3つ特徴があります!

①期間に指定なく、ローソク足パターンが検出可能

従来のものでは、当日終値で完成するローソク足でまとめて銘柄を検出してくるツールやサービスが多いですが、TradingViewは、ローソク足パターンを選び、自分で選んだ銘柄や通貨にそのローソク足パターンがいつ出てきているのか検出する機能です。
例えばドル円の1時間足で、「トウバ(Gravestone Doji)」が出てきている個所を見たい場合は、チャートをドル円の1時間足にしてインジケーターメニューから「トウバ(Gravestone Doji)」を選択します。

②アラートをつけることができる

該当するローソク足が検出されてきたら、アラートで通知することができます。例えば、上記のように、ドル円1時間足の黒三兵を選択すると、最新の黒三兵が検出された時点でアラームを設定することができます。

アラートの詳しい説明は省きますが、気になる方はこちらの記事もオススメです。


注:アラートもプラン内の個数制限があるので事前に確認してくださいね。無料プランだと1つまで設定できます。

③トレンドをふまえて検出できる

ローソク足パターンでは、強気(買い方)か弱気(売り方)かを移動平均線を利用したトレンド把握で、ローソク足を検出します。
コマ足以外の全てのローソク足パターンで選べるようになっているので、デフォルトの意味を考えつつ選択できるようにしていきましょう。
以下に、ローソク足の表とローソク足のパターンの特徴をまとめてみたので参考にしてみてくださいね。

ローソク足パターンを使うにあたって

ローソク足パターンは、TradingViewでいうところの「インジケーター」というカテゴリーに分類されます。
同時に使えるインジケーターの個数は、プランによって違うので注意してくださいね。

少なくとも、TradingViewアカウントを持っていることが必須条件になので、お持ちでない方はこちらから無料登録してみてくださいね。
利用中のインジケーターの種類は「オブジェクトツリー」で管理できるので、プランごとの利用制限に気をつけて、表示しているインジケーターを管理してください。

ローソク足の種類一覧

ローソク足の分析は、1つのローソク足で特徴的な値動きを示唆するものと、複数のローソク足のパターンを見て分析するプライスアクションと呼ばれる分析があります。ローソク足パターンの特徴を簡単におさらいしていきましょう。注)相場の流れに沿った解釈が重要で、ローソク足だけで売買判断するのは危険です。

TradingView上での表記 強気or 弱気 和名 ローソク足画像 ローソク足の特徴
Abandoned Baby-Bearish 弱気(売り) 捨て子足 上昇相場で陽線の次に上放れして十字線が出現し、その次に下放れして陰線が出現した状態
Abandoned Baby-Bullish 強気(買い) 捨て子足 下落相場でローソク足の陰線が出現した次に下放れした十字線が出現し、さらにその次に株価が上放れして陽線が出現した状態
DragonFly Doji-Bullish 強気(買い) トンボ 寄引き同時線で、始まり値から下がり、価格が元に戻ったもの
Engulfing-Bearish 弱気(売り) 抱き足、包み足 上昇相場で、陰線が陽線を包んだ時の天井シグナル
Engulfing-Bullish 強気(買い) 抱き足、包み足 下降相場で、陽線が陰線を包んだ時の底打ちシグナル
EveningStar-Bearish 弱気(売り) 宵の明星 陽線の後に窓を開けてコマが1~複数本現れ、次に窓を空けて陰線が出るローソク足の形で、天井サインになる
Gravestone Doji-Bearish 弱気(売り) トウバ 寄引き同時線で、始まり値から上がったものの価格が元に戻ったもの
Hammer-Bullish 強気(買い) カラカサ、ハンマー 実体は非常に小さく下髭が非常に長い反面、上髭は短いか付いていないローソク足
Hanging Man-Bearish 弱気(売り) 首吊り線 上昇相場で、窓を開けて長い下ヒゲを持つローソク足で売り転換をサインになる
Harami-Bearish 弱気(売り) はらみ足 上昇相場で、陰線が陽線をはらんだ時の天井シグナル
Harami-Bullish 強気(買い) はらみ足 下降相場で、陽線が陰線をはらんだ時の底打ちシグナル
Inverted Hammer-Bullish 強気(買い) トンカチ 実体が小さく上髭が長い、上昇後の一旦の押しに出現が多く相場の転換サインになる
Kicking-Bearish 弱気(売り) 弱気の行き違い線 終値が行き違いになっている線
Kicking-Bullish 強気(買い) 強気の行き違い線 終値が行き違いになっている線
Long Lower Shadow-Bullish 強気(買い) 長い下ひげ 一旦売られるものの買い戻されて、長い下髭が付くときに買いサインとなる
Long Upper Shadow-Bearish 弱気(売り) 長い上ひげ 一旦買われるものの売り戻されて、長い上髭が付くときに売りサインとなる
Marubozu Black-Bearish 弱気(売り) 陰の丸坊主 ヒゲのない長い実体だけのローソク足
Marubozu White-Bullish 強気(買い) 陽の丸坊主 ヒゲのない長い実体だけのローソク足
Morning Star-Bullish 強気(買い) 明けの明星 陰線の後に窓を開けてコマが1~複数本現れ、次に窓を空けて陽線が出るローソク足の形で、底打ちサインになる
Shooting Star-Bearish 弱気(売り) 流れ星 天井圏で長い上ヒゲと小さい実体をもつローソク足で、転換サインになる
Three Black Crows-Bearish 弱気(売り) 黒三兵 天井圏や下降トレンド中の戻りで出現すると反落のサインになる
Three White Soldiers-Bullish 強気(買い) 赤三兵 底値圏や上昇トレンド中の押し目で出現すると買い反転のサインになる
Tri-Star-Bearish 弱気(売り) 下げの三ツ星 下落途上や天井圏で出現する小さいコマ足が3つ連続して出現したパターンで、下降に転じやすいとされる
Tri-Star-Bullish 強気(買い) 上げの三ツ星 上昇途上や底値圏で出現する小さいコマ足が3つ連続して出現したパターンで、上昇に転じやすいとされる
コマ足・陰のコマ・陽のコマ 強気(買い)
弱気(売り)
  実体が小さな線をこま足といって、気迷いで方向性が定まってないローソク足

※TradingViewのローソク足パターンで自動検出可能なものだけを一覧にしています。

検出の設定方法

ギアアイコンを押すと、選択した「ローソク足パターン」のトレンドの把握方法で、検出設定をえらべます。

  • SMA(50)のみ使う
  • SMA(50)とSMA(200)を使う
  • No detectionを選ぶ

「No detection」を選ぶと、SMAを使わずローソク足の形だけで検出するか選べます。

比較的検出されてきやすい「はらみ線(弱気)」で比較したものを見てみたいと思います。
画像は同じ期間の同じ時間足のBTCJPYの1時間足チャートを3つ縦に並べています。

3つのチャートで検出されてくるはらみ線を比較してみると、
SMA(50)で検出してくる場合、はらみ線がSMA(50)の上に位置している場合のみ検出されていることがわかります。SMA(50)とSMA(200)を選択した場合は、両方のSMAの上方に位置しているはらみ線だけが抽出されています。No detectionではSMAの上方か下方かに関わらず検出されてきていることがわかります。

No detectionを選択すると、比較的多く出現するローソク足パターンの場合に、騙しのローソク足も検出されてしまうので使い方には注意が必要です。

まとめ

TradingViewのローソク足パターンは画期的な機能です。他の證券ツールでは現在の足が対応しているかどうか見る機能に限定されてしまうことが多いですが、TradingViewでは表示されている全てのローソク足から検出可能です。
今一度、ローソク足の勉強を深めたい方にも、検出後の値動きを追うことでいい資料になります。また、なかなか検出されないレアな足が出た時に見逃さないように、この機能を設定しておくのもオススメです。
ぜひ、ローソク足パターンを使いこなせるように、いろいろなパターンを見比べてみてくださいね。

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About Sai 27 Articles
短期スイングを中心に株トレード歴5年。 趣味でテクニカルアナリストの資格を取っちゃいました! 日経先物と、FX、仮想通貨取引も先輩トレーダーに教わりながらコツコツやってます。