徹底解説!FXの出来高の確認方法と実践テク

皆さんは普段のトレードから出来高を確認していますか?

「え?為替市場での出来高って役に立つの?」
「そもそも確認できるデータが限定的じゃないの?」
「出来高を利用したトレード方法って?」と少しでも思った方、この記事を読むのに3分だけください!
為替市場ではあまり気にされていない人も多いですが、出来高分析の基礎を押さえることでトレンド系やオシレーター系指標とは違った視点でチャートを分析できるきっかけになるかもしれません。「出来高は価格に先行する」とよく言われますが、為替市場にも当てはめられるケースがあります。

今回の記事では、

  • 為替市場の出来高の確認方法
  • 実践で身につける分析法
  • おすすめの出来高インジケーター

を紹介していきます。
出来高の利用の仕方を一通り押さえていきましょう。

TradingViewチャートへ

FXの出来高とは?

そもそも出来高って何?と思うかもしれませんが、出来高とは「取引が成立した量」のことです。そう!まさに出来高はデータなんですね。RSIの70%以上が買われすぎ、30%以下が売られすぎなど価格の値動きから過熱感をみるような、オシレーター系のテクニカル指標や移動平均線などのトレンド系分析とは性質が違います。

出来高は、その値が急変した時に、相場の流れを変えるような動きが出るのかどうか、という視点で使います。それには通常時と急変時を見比べる「観察」が必要です。

主に2種類の出来高の表示方法があります。1つ目は、時間軸による出来高と、もう1つが価格帯ごとの出来高です。

  • 時間軸による出来高

図のようなローソク足1つに出来高が1つ対応しています。5分足なら、5分間のうちどのくらいの取引量だったかを縦グラフで表しています。高さが高いほど、取引量があったと言うことになります。

  • 価格帯出来高

一方、価格帯別出来高は、期間の区切りはあるものの価格帯に着目して出来高を表示しています。横棒のグラフとして表示されます。例えば、100円でドルを売買した量はどのくらいなのか、105円のときより多いのかなど、取引量の多かった価格帯が一目でわかるようになっています。

FXに出来高は存在しない?確認方法を解説

「出来高が確認できたら役に立ちそうだけど、、、でも自分が使ってるツールで確認できないんだけど?」と思った方もいるのではないでしょうか。
FX市場は業者と顧客の「相対取引」となっていることが多く、全世界で行われている総合的な為替取引量をリアルタイムで把握することは困難です。換金などの市場外取引も盛んに行われていますからね。。

※相対取引:買い手と売り手が取引価格や数量を決めて決済まで一貫して行う取引のこと

比較的大きなくくりの出来高データの例を挙げると、東京外為市場で行われた取引は、日銀HPで日次や月次データを提供しています。市況環境の分析をするなら、CMEが提供している「通貨ペア別出来高」も利用登録なしで閲覧できるので便利です。

各々の取引業者の中で出来高データを提供しているところもあれば、そうでないところもあります。出来高分析を使いたい方は、どのFX取引業者を使うか迷ってる場合は注意してくださいね。チャートに表示できる確認できるリアルタイムな出来高は「データを提供している取引業者」の部分的な市場データになります。

FXで出来高は役に立つの?

もともとある程度、為替市場は流動性があり急激な変化はしにくいといわれていますが、取引所内の出来高を把握して実際の取引に役立てるにはどうしたらいいのでしょうか。

活用方法
⓵出来高と価格の関係から「相場の流れの変化」を掴む
⓶価格帯出来高でサポートラインとレジスタンス機能するか見極める
⓷時間帯ごとの取引量に気をつけて売買ルールを作る

「相場の流れの変化」を掴む

「相場の流れの変化」を掴むってどういうこと?と思う方も多いとおもいます。
例えば、一般的には、相場の天井と底辺りで、出来高が増えると言われています。
例えば「セリングクライマックス」は、まさに「もういくらでもいいから売りたい」という我慢できなかった投げ売りが重なって起こります。価格の大暴落が起こった後に、「安く買えるチャンスだ」と思った買い注文が増え始め、急激に反発を始めます。そのため、通常よりも出来高が増える傾向になります。

価格帯出来高でサポートラインとレジスタンス機能するか見極める

価格帯出来高の厚いところだと、サポートラインやレジスタンスラインとして機能することがあります。

時間帯ごとの取引量に気をつけて売買ルールを作る

FXの出来高が多い時間帯

FX市場は平日ほぼ24時間動いています。ただ、時間帯によって市場参加者の数に大きく差が出るので、市場参加者が少ない時間帯は特に注意が必要です。動く値幅も時間帯によって全然違うので、各時間帯の特徴をおさえて、トレード戦略を練っていくのが賢明です。(※時間は全て夏時間表記になっています。冬時間は1時間遅れになります)

⓵オセアニア時間 6am-8am
市場参加者が少なく、スプレッドが開きやすい時間帯です。値動き幅が狭いことが多いですが、週末の要人発言や政策の影響を一番早く反映されます。また、ニュージーランドやオーストラリアの経済指標が発表される時間帯でもあり、価格変動が激しくなる傾向があるので取引には十分注意してください。

②日本時間 8am-15pm
アジア圏のトレーダーが市場参加してくる時間帯です。経済指標が発表され、オセアニア通貨やクロス円の値動きが活発になり始めます。
東京仲値が9時55分にあり、その日の基準取引値が決まります。なので仲値にかけて値動きが激しくなることもあります。特に5と0のつく日はゴトウ日といって、輸入業者の決済が多いことからドル買い方向に値が進むことが多いと言われています。ドル円の仲直取引だけ狙うEAもあるくらい有名です。

③欧州時間 15pm-21pm
東京市場が終わり、欧州市場がオープンし始めます。ロンドンフィクシングが16時にあり、ロンドン市場もその時間にオープンします。なので今までの流れを無視するかのように、相場が急変することがあり、特に欧州通貨の値動きが激しくなり始めます。
欧州の経済指標やECB政策など重要な経済指標が発表される時間帯でもあります。

④NY時間 21pm-6am
アメリカの経済指標が発表され始める時間です。また、NYオプションカットも0時にあり、通貨は活発に動きます。ロンドン市場が閉まる2時までの時間帯が、1日のうちで一番値動きが活発になる傾向にあります。月末のフィクシングは、この時間帯で活況になるので取引チャンスと考えて参加するトレーダーも多くいます。

FXでの出来高の確認方法と見方

時間軸での出来高確認の仕方(MT4での表示の仕方)

MT4ではチャートに出来高を表示可能で、設定も簡単です。チャートを開き、出来高をクリックします。そうすると、時間毎の出来高が表示できます。色を変更したい場合は、右クリック→「プロパティ」を選び、出来高の色を変更できます。

価格帯別出来高(TradingViewの出来高プロファイル ※有料プラン)

TradingViewでは価格帯出来高を表示でき、売りと買いの比率が確認できます。
OANDAやFXCMのチャートデータで利用できます。
4つの出来高プロファイルがあります。

出来高プロファイルインジケーターの種類
①可視範囲出来高(Visible Volume)
②固定期間出来高(Fixed Volume)
③セッション出来高(Session Volume)
④セッション出来高HD(Session Volume HD)

設定の仕方は、「インジケーター&ストラテジー」ボタンを押し、「出来高プロファイル」を押します。4種類の中から1つ、好きな出来高プロファイルを選びます。
初心者におすすめなのは見やすくて扱いやすい「可視範囲出来高プロファイル」です。

TradingView画面
出所:TradingView

もちろんTradingViewでも、通常の時間軸での出来高も表示可能です。詳しい設定の仕方はこちらからもご覧になれます。

おすすめインジケーター

出来高加重平均価格(VWAP)は、一定期間の平均取得単価のことです。出来高を考慮した平均値になっています。VWAPよりも下の価格帯で推移しているときは弱気相場で、価格が下がりやすく、上で推移しているときは強気の相場で価格が上がりやすいと言われています。
TradingViewでは「インジケーター&ストラテジー」から利用可能です。

FXでの出来高の活用法、TradingViewチャートを使用

トレード例① VWAP、移動平均線を利用した場合

下の画像は、AUDJPYの15分足チャートです。水色がVWAPの線で、1日毎にVWAPがリセットされています。赤色の線は200本のSMA(単純移動平均線)です。VWAPを短期移動平均線に見立てて、2本の線のゴールデンクロス(1)で買いとデッドクロス(2)で売りエントリーができます。

トレード例② VWAP、価格帯出来高を利用した場合

また、価格帯出来高を利用してみると、緑の水平線が表示期間中で一番出来高ができている価格帯になります。
(3)の部分では、200MAと価格帯出来高の緑線が重なり、サポートラインとして機能しています。ここで買ってVWAPが下降基調になるまでの短期トレードポイントとしてエントリーできそうです。また、(4)では、価格帯出来高のラインを下抜けてVWAPも下降基調に代わり売りポイントになります。

まとめ

為替市場での出来高分析について、基本的な考え方と重要なポイントをご紹介しました。出来高を利用して市場分析することで、オシレーター系やトレンド系のテクニカル分析とは違った見方や戦略の立て方ができることがわかります。
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About Sai 27 Articles
短期スイングを中心に株トレード歴5年。 趣味でテクニカルアナリストの資格を取っちゃいました! 日経先物と、FX、仮想通貨取引も先輩トレーダーに教わりながらコツコツやってます。