TradingViewのストラテジーランキング!テスターでバックテストした結果を公開

ストラテジーテスターの使い方では、無料で使えるTradingViewの内蔵ストラテジーを紹介して、バックテストを実際にやっていくところまでを説明していきました。その後、皆さんは一度でもチャートにストラテジーを開いてみていただけたでしょうか。
「簡単に使える」と言われても、なかなかハードルが高い方もいたかもしれません。
そこで今回は、TradingViewの内蔵インジケーター20種類とBTCJPYチャートドル円、日経平均先物チャートをストラテジーテスターを使って検証していきました。一定の条件で検証すると20種類のうち一番有効なストラテジーと言えるのかランキング形式でお伝えしたいと思います。

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設定手順

今回は、実際の運用に近い形で検証したいということで、編集部で考えた結果、以下のような条件でバックテストをすることにしました。テスト期間は、BTCJPYが3月25日時点、ドル円と日経は3月27日時点のチャートの表示可能なローソク足の本数分で(1万本強が最大値)テストしています。
設定値は、「ストラテジーテスター」の赤枠で囲った設定ボタンで変更可能です。皆さんもこの数値を様々なパターンに置き換えて、バックテストをしてみてくださいね。
設定ボタン

  • 銘柄

ビットコイン(JPY)bitFlyer

  • 検証に使った時間軸

-5分足
-15分足
-30分足
-1時間足
-4時間足
-日足

  • 設定条件

パラメーター:デフォルト
プロパティ
初期資金:100,000ドル
基準通貨:JPY
発注サイズ:BTCJPYは4%・資産比%、ドル円は1000/取引、先物は、1/取引
ピラミッティング:3 注文
手数料:0.05 %
指値価格の厳密性:0ティック
スリッページ:0ティック

基本設定
発注サイズ:資産額に対する最大ポジション数や、一取引ごとのポジションの設定
ピラミッディング:同じ売買方向に持てる最大ポジション数
手数料:約定金額に対して%で表される料金を差し引いて計算される
スリッページ:注文の発注時にかかるスリッページの許容幅を設定可能

発注サイズに関しては、最大ドローダウンが小さいストラテジーでは適宜自分のリスク許容範囲内で増やしてみることで、得られる収益も大きくなります。
検証の仕方は、こちらの記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
1点注意がありまして、プロフィットファクターが4以上のものは抜かしています。プロフィットファクターが高すぎるものに関しては、カーブフィッティングと言って特定の相場のみで当てはまっているような期待値の高い結果になってしまっている場合があるからです。BTCJPYのチャートは、4時間足や日足で見てみるとトレンドがはっきりでている時が多い相場になっているので、比較的いい数値が出ていたと考察しています。それではランキングを見ていきましょう。

BTCJPYの検証結果

第5位 モメンタムストラテジー PF1.961

BTCJPY 4時間足で1.961のプロフィットファクターが出ました。勝率が38.44%と低いものの、ホールドした時の利益幅が大きく、最大ドローダウン率も4.58%なので、売買を重ねるにつれて着実に利益が伸びていることが分かります。
ストラテジーテスター結果①

第4位 ボルティエクスパンクローズストラテジーPF2.104

BTCJPY 日足で2.104のプロフィットファクターが出ました。勝率は48%程度とやはり半分以下ですが、着実に利益を積み重ねているストラテジーと言えます。純利益は、627取引後に約+72%増えている検証結果になりました。

ストラテジーテスター結果②

第3位 ピボット反転ストラテジー PF2.187

BTCJPY 4時間足で2.187のプロフィットファクターが出ました。勝率がこちらも50%以下ですが、最大ドローダウンが2.72%と現実的な数字です。814トレードでプラス96%の利益になっています。

ストラテジーテスター結果

第2位 ケルトナーチャネルストラテジー PF3.177

BTCJPY 日足で3.177のプロフィットファクターが出ました。84取引と少ないですが、少額資金で純利益+47%と効率的です。
取引60回以降、最大ドローダウン5%程度の損失を出し利益が大きくなった後は横ばいになりますが着実にエントリーすることで利益が見込めそうです。

ストラテジーテスター結果③

第1位 価格チャネルストラテジー PF3.25

BTCJPY 4時間足と日足で平均3.25のプロフィットファクターが出ました。勝率が50%以上で、4時間足では純利益が+157%、日足では+92%となっておりドローダウン率も低いので、堂々の1位でした。

ドル円の検証結果

※以下のランキングはプロフィットファクター(PF)が高いものを第一位として順に掲載しています。

第3位 ボルティ・エクスパンション・ストラテジー PF1.201

ドル円チャートの日足で、プロフィットファクターが1.201が出ます。1906取引後に、純利益が+154%になっていて、最大ドローダウンが34.56%です。平均勝ちトレードが1.18%で、平均負けトレードが0.68%マイナスで、ペイオフレシオが1.726になっています。

ペイオフレシオは、 [勝ちトレードの平均利益額] ÷ [負けトレードの平均損失額]で表され、1以上で利益が出ているストラテジーであると示す指標のことです。取引が350回目以降は徐々に損失が出始め、資産があまりのびていないことがわかります。このような結果だと、トレード一覧から、どういった相場環境で利益が伸びやすいのか伸びにくいのか分析し、特定した相場環境でのみ有効なストラテジーとして活用したほうがよいストラテジーである可能性もあるので注意が必要です。

ストラテジーテスター結果①

第2位 スローストキャスティクスストラテジー PF1.298

ドル円日足チャートで、1.298のプロフィットファクターが出ています。勝率が64.73%と高く、258取引で+81%の純利益が見込めます。また、ペイオフレシオが0.707なので勝率がものをいうストラテジーということがわかります。最大の負けトレード額が、資産比で12.28%で170回目のトレードあたりで資産がガクッと減っているのも見受けられます。
ストラテジーテスター結果2

第2位 チャネルブレイクストラテジー PF1.239

全1213トレード後の資産の増えた額は、+164%で、最大ドローダウンは資産比で-25%です。
平均勝ちトレードは、資産比で1.81%+で、平均損失はー0.93%になります。ペイオフレシオは、1.945なので、トレードを積み重ねるごとに利益が出るストラテジーです。ただ勝率は39%と低いので、最初に負けが続いて資産が減ってしまうというリスクもありえるストラテジーになります。
ストラテジーテスター結果3

第1位 スローストキャスティクスストラテジー PF1.298

ドル円日足チャートで、1.298のプロフィットファクターが出ています。勝率が64.73%と高く、258取引で+81%の純利益が見込めます。また、ペイオフレシオが0.707なので勝率がものをいうストラテジーということがわかります。最大の負けトレード額が、資産比で12.28%で170回目のトレードあたりで資産がガクッと減っているのも見受けられます。
ストラテジーテスター結果2

 

日経平均先物ミニの検証結果

※以下のランキングはプロフィットファクターが高いものを第一位として順に掲載しています。

第3位 ボルティエクスパンクローズストラテジー PF1.363

日足で、プロフィットファクター1.363になります。最大ドローダウンがやや高く、63%マイナスになっている期間があります。全部で1253取引後に純利益が5452%プラスでした。パフォーマンスサマリーを見てみると、最大の勝トレードが最大の負けトレードに対して約3倍の利益になっているので、勝率は43%程度と、負けの方が多いものの、着実に利益を伸ばしているストラテジーと言えます。
ストラテジーテスター結果4

第2位 ピボット反転ストラテジー PF1.406

4時間足で、プロフィットファクター1.406の、勝率42%で純資産が+4582%が狙えるストラテジーです。最大ドローダウンがマイナス47%と3つのストラテジーの中で一番低リスクになっています。全取引958回のうち、最初の資産比で勝利益が39%で負けトレードの平均額は20%になっているので差し引き19%のプラスが得られるストラテジーになっています。LC基準を小さく設定して、最大ポジション数やロット数をもう少し上げるパターンを検討してもいいかもしれません。
ストラテジーテスター結果5

第1位 ボリンジャーバンド売買方向指定ストラテジー PF1.62

日足で、プロフィットファクター1.62が出ました。ただ最大ドローダウンが、4140%で取引の最初に口座がマイナスになっています。ただ純利益は6375%増と、非常に高いのでハイリスクハイリターン傾向のストラテジーです。
145取引中、口座がマイナスの期間が長いため、LC値を設定することでこの損失は限定されそうですが、損小利大を心掛けないと、リスクの高い現実的なストラテジーとは言えないと思います。
ストラテジーテスター結果6

まとめ:儲かる可能性の高いストラテジーとは

BitflyerのBTCJPYチャートでの、バックテスト結果では「価格チャネルストラテジー」がプロフィットファクター、ドローダウン率の観点から1番収益効率が良さそうだということがわかりました。BTCJPYの極端な勾配のおかげでプロフィットファクターが高くなっているストラテジーが比較的多かったのではとの疑惑がありますが、ドル円や日経先物ではまた違った視点からストラテジーの分析をしたところ、比較的安定的な資産の上昇が見込めそうなものやハイリスクハイリターン型のストラテジーやその中間型のものまでさまざまだということがわかりました。しかし、これらの過去のデータに基づく検証はこれからの資産形成を約束してくれるものではありません。

私が考えるストラテジーの有効活用は、特定の相場に圧倒的に有効な結果を出しているストラテジーを見つけ、相場ごとに分類し、使い分けていくことがまず1点と、そして自分の許容できるリスクを決めてそれに合ったストラテジーを取捨選択することの2点が重要になってくると考えています。これまで、ストラテジーに特化して説明してきましたが、これを踏まえてご自身の分析の活用につながればと思っています。皆さんもTradingViewのストラテジーを利用して機会損失を少なくするのに役立てたり、自身のトレード手法の補足として売買シグナルを利用するのも手だと思います。
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短期スイングを中心に株トレード歴5年。 趣味でテクニカルアナリストの資格を取っちゃいました! 日経先物と、FX、仮想通貨取引も先輩トレーダーに教わりながらコツコツやってます。