2017年8月開始されたICOにて、わずか30分で2億ドルを調達して話題になったfilecoin(ファイルコイン)をご存じでしょうか?
IPFSを開発したProtocol Labsのプロジェクトです。
予定通り今年(2019年)12月11日にテストネットを起ち上げ注目されつつあります。
もくじ
ファイルコインの概要と特徴
通貨名:Filecoin
通貨単位:FIL
総発行数:20億FIL(初期トークンセールで2億FIL発行済み)
ファイルコインはIPFSをベースとして開発されています。
IPFSの詳細は以下をご参照ください。
IPFSとは https://bitcoin-fx.jp/?s=ipfs
ファイルコインがエコシステムとして機能する構造はストレージの貸し借りです。
ストレージを提供する側をStorage Miner(ストレージマイナー)と呼びストレージの保有容量によってブロックの生成権を得られます。
また、借りる側はユーザーとして借りた容量に応じてストレージ保有者(ストレージマイナー)にFilecoin(FIL)を支払います。
実際に支払い価格は需要と供給のバランスにより決定されます。
この時データーを預かったマイナーはProof of Storageにより常時その情報を証明しなければなりません。万が一故障などでデーターを保有できなくなった時はペナルティが課せられます。
さらに、もう一つのマイナーが存在します。
それはRetrieve Miner(リトリーブマイナー)と呼ばれ、ユーザーからの要求により分散されたデーターを集め、いち早くデーターを引き出せたマイナーに報酬が与えられます。
マイルストーンを公式発表
今後のマイルストーンが公式ブログで公開されていましたので以下に概略ですが紹介しておきます。
Testnetフェーズ1:現在〜2020年1月17日
Testnetフェーズ2:2020年1月20日〜2020年3月20日
Mainnet起動ウィンドウ:2020年3月23日〜4月24日
Testnetフェーズ1:
Testnetフェーズ1では、Filecoinの重要なテスト、ベンチマーク、および最適化が行われます。これは意味のある規模の最初のテストネットワークであるため、Filecoinの主要コンポーネントの再評価が必要なバグを発見する可能性があります。
この場合、これらの問題を修正するため、早期に重要なコード変更も想定されます。
また、Filecoinプロトコルと実装が安全で、パフォーマンスが高く、相互運用できるかを確認します。
注:testnetは安定したネットワークではないため、少なくとも1回、場合によっては数回再起動されます。
Testnetフェーズ2:
フェーズ1の後、複数のセキュアでパフォーマンスの高い相互運用可能なFilecoin実装を施し、Testnetフェーズ2に入る予定です。
Testnetフェーズ2では、2か月以上の正式なテスト、検証、およびセキュリティ監査が行われます。
また、メインネット立ち上げにおいて最も重要な要件は、Filecoinが安全であることです。安全でないネットワークは立ち上げられません。重大なセキュリティ問題を発見した場合、このフェーズを延長することがあります。
また、この期間に
・信頼できるセットアップセレモニー
・メインネットハードウェアテスト構成
・開発ツールのコラボレーション
なども同時に検証されます。
Mainnetの起動:
メインネットの立ち上げと必要な準備のために、4週間の準備期間を設けています。
このフェーズの早い時期で起動することを目指していますが、予期しない状況が発生した場合に備えて準備期間を設定しました。
テストネットの状況を覗いてみた
以下の画面ショットは12月16日現在 テストネット(公式サイト)のダッシュボードです。
ここではfilecoinネットワークのブロック高、ブロック生成時間、ネットワーク全体の消費電力、マイナーのブロック生産高、ストレージ容量などリアルタイムで様々なネットワークの動きが見られます。
この図の中ほどにNetworkStorageとして「119TiB」という文字が確認できると思います。
コンピュータのハードウエアを学ばれた方なら何の変哲もない記述ですが、TBとTiBは何が違うの?と思われた方も多いと思います。
普通に表現すればこれは119TB(テラバイト)と思っていただければよいのですが、正確に表現すれば119TiB(ティビバイト:Tera binary byte)となります。
違いを簡単に説明しますと、単位を仮に1KB(キロバイト)とすると
1K=103ですがコンピュータの世界では2進数ですから1K=210となり10進数で順に計算すると2,4,8,16,32,64,128,256,512,1024となり、1K=1024となるわけです。
つまりテラバイトですと10進は1012です、2進では240になり1兆バイトではなく、実際のストレージ容量は1兆995億1162万7千776バイトとなるわけです。この誤差は単位が大きくなるほど無視できなくなるわけです。
これも技術者の「こだわり」なんでしょうね!(笑
今後への期待
この様に、IPFSとブロックチェーンをうまく組み合わせ新しいcpuパワーを必要としないエコなマイニング方法で強い関心と期待感を得た結果多額の資金が集まったものと思われます。
現在の価格はいわゆる草コイン(笑)ですが、年明け第2四半期にはメインネットの起ち上げも予定され、期待感は増してくるものと思われます。
しばらく注目のFilecoin(FIL)です。