TradingViewでストラテジーをバックテストをしてみよう

ストラテジーテスター 概要

みなさん、TradingViewに備わっている機能と戦略(ストラテジー)を使えば、簡単にいろんな銘柄や通貨ペア、先物商品などのチャートでバックテストができることをご存知でしょうか。
バックテストとは、システムトレードをする際に立てた売買戦略やルールが有用であるかを事前に過去のデータを使って、勝率やドローダウン率(最大損益率)などを換算して検証することです。
TradingView独自のストラテジーテスターというトレードのシミュレーション機能は、使いこなせればとても有益な検証ができるのでぜひこの記事で基本的な使い方を理解して使い倒していきましょう!

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TradingViewのストラテジーとは?

一般的にストラテジーは、売買戦略と自動売買がセットになったニュアンスで使われることが多いですが、TradingViewのストラテジーは売買戦略をチャート上でシグナルとして示すものです。既存のストラテジーは20個ありますがいくつかピックアップして解説していきます。

TradingViewストラテジーの例
RSIストラテジー:「RSIの値が1つ前のローソク足では30より小さく」かつ「現在の終値でRSIの値の値が30より大きい時」に、買いシグナル、「RSIの値が1つ前のローソク足では70より大きく」かつ「現在の終値でRSIの値の値が70より小さくなった時」に、売りシグナルが出る
モメンタムストラテジー:モメンタムが0以下から0以上になった時に買いシグナル、モメンタムが0以上から0以下になった時に売りシグナルが出る
MACDストラテジー:MACDのヒストグラムが終値で0を上回ったら買い、MACDのヒストグラムが終値で0を下回ったら売りという売買戦略
スローストキャスティクスストラテジー:スローストキャスの数値が20以下になった時に買いシグナル、80以上の時売りシグナルが表示される
ボリンジャーバンドストラテジー:買いシグナルは−2σの外側から内部に戻ってきた時、売りシグナルは+2σから内部に戻ってきた時に表示される、売り買いシグナルは交互に出る

他にも、グリーディーストラテジー、ケルトナーチャネルストラテジー、移動平均と価格の交差ストラテジー、インサイドバーストラテジー、ローソク足アップダウンストラテジー、アウトサイドバーストラテジー、ピボット反転ストラテジー、価格反転ストラテジー、ピボット拡張ストラテジー、2本の移動平均線の交差ストラテジー、パラボリックSARストラテジー、ボリンジャーバンド売買方向指定ストラテジー、チャネルブレイクアウトストラテジー、連続アップ/ダウンストラテジー、ボルティエクスパンクローズストラテジーなど、全部で20種類のストラテジーがあります。

TradingViewでは、これらのストラテジーを使って、バックテストもすることが可能です。

TradingViewのストラテジーテスターとは

TradingView画面
出所:TradingView

ストラテジーテスターは、TradingView独自のバックテスト用ツールです。

ストラテジーテスターで検証できるのは、ストラテジーと呼ばれるトレードの手法がプログラミングされた売買戦略です。
ストラテジーは売買サインを表示するプログラムのことで、例えば、上の画像に表示されているのは「チャネルブレイクカットストラテジー」と言われる内蔵のストラテジーです。TradingViewユーザーなら誰でも使用できます。

こういった内蔵のストラテジーを過去のチャート上に表示させて、簡易的にこのストラテジーが有用なのかトレードのバックテストをすることができます。
また、ストラテジーは、デフォルトで内蔵されているものやアイデアのように公開ライブラリに上がっているものが使える他、TradingViewのプログラミング言語であるPineスクリプトを使用してオリジナルのものを作ることもできます。

ストラテジ-テスターでバックテストするやり方・方法

ストラテジーはどこで利用できるのかというと、インジケーターと同じ場所に格納されています。
検索窓から「ストラテジー」と打つと「内蔵」の欄には20個のストラテジーがあることが確認できます。
TradingView画面

内蔵のもので、「戦略」と書かれているものもストラテジーになります。ストラテジー名の右側に赤と青の上下矢印が付いているものが目印です。
TradingView画面

今回はTradingView内蔵ストラテジーから、「チャネルブレイクアウト戦略」を選択します。

こちらは指定された期間の高値を更新すればロング、反対に安値を更新すればショートでエントリーするシンプルなロジックです。
このストラテジーを選択すると、インジケーターと同様にチャート右上にストラテジー名が表示されると共に、チャートに売買サインが表示されます。買いが青い矢印、売りが赤い矢印です。
またチャート下の「ストラテジーテスター」のタブが開き、詳細を確認することができます。

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ストラテジーテスターの見方

TradingViewなら売買サインどおりのバックテストができる

TradingView画面

青い矢印が買いサイン、赤い矢印が売りサインになります。

ストラテジーテスター 概要
赤枠で囲った下タブの「ストラテジーテスター」の「概要」ではシミュレーション結果を見やすく表示してくれます。

青い部分が資産増減の推移を、赤い部分がドローダウンの推移を表示しています。右に行くほど資産が増えているのでこのロジックに優位性があるということが、このバックテストの損益表からわかります。また、プロフィットファクターも1以上なので、損失よりも利益が大きいことがわかります。

緑枠で囲った選んだ戦略の設定は設定ボタンからでも変更可能です。
ストラテジー設定画面を開きながら数値を変更すると、すぐさまデータが反映されるので簡単に比較することも可能です。
TradingView画面

次に、バックテストによく出てくる基本用語をおさえていきたいと思います。

バックテストに欠かせない用語たち

バックテストでよく出てくる用語たちがあるので、まとめて見ていきましょう。

バックテストでよく出てくる用語たち
プロフィットファクター:総利益 ÷ 総損失で計算され、1以上だと利益が出ているという、バックテストでよく目安として使われる指標
最大ドローダウン:一時的に最大資産から落ち込んだ場合の下落率
シャープレシオ:投資のリスクの大きさに比べてどれだけ収益を得られるか、運用効率の高さを示したもの
ペイオフレシオ:ペイオフレシオ = [勝ちトレードの平均利益額] ÷ [負けトレードの平均損失額]の式で表される
勝率:勝ちトレード数÷全トレード数 で、買った割合を表す
最大ドローダウン:一時的に最大資産から落ち込んだ場合の下落率

パフォーマンスサマリーとトレード一覧の見方

「パフォーマンスサマリー」では、買いトレードの損益、売りトレードの損益、総損失、最大ドローダウン、バイ・アンド・ホールドでのリターン、シャープレシオ、プロフィットファクター、最大保有数、未決済の損益、支払い済手数料などといった細かいデータを確認することができます。
パフォーマンスサマリー

また、TradingViewではバックテストの1つ1つの売買の詳細が一覧で表示され、売買サイン毎のトレード履歴をみることができます。
トレード一覧

新たにストラテジーを作って検証する方法

今までは、内蔵のストラテジーを使ってストラテジーテスターを使いましたが、ストラテジーを自作してバックテストを行うことも可能です。その場合は、pineスクリプトというTradingView独自の言語を使います。
Pineスクリプトを勉強したい場合は、過去の記事をぜひ見てくださいね。
変更する箇所

【まとめ】バックテストはTradingViewのストラテジーテスター

TradingViewのストラテジーの紹介をして、バックテストをやっていこうということで説明をしました。バックテストは、システムトレードにとってストラテジーの有効性を確かめるのにとても重要です。

裁量トレードは、相場分析を元に手動で売買することです。どうしても感情がコントロールできない場合や、主観が入ってしまうトレードをやめたいという場合は、システムトレードを使う方が多いですが、その分、どんな相場状況でも有用な売買戦略はないに等しいという難点があります。実際に利益を出している自動売買ツールが高額で取引されている場合があり、システムトレードを始めるのに厄介な点と言えると思います。ただ、今回紹介した機能は全て無料で使っていただけるので、試しやすい検証です。普段使っているテクニカル手法がストラテジーにあれば利用しない手はないでしょう。
次回のストラテジーテスターに関する記事は、どの時間足とティッカー、ストラテジーの組み合わせで一番有効な数字が出るのか検証していきます。みなさんもいろんな銘柄や通貨ペアで試してみてくださいね‼

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ラジオ日経パーソナリティ兼FX・BTCコラムニスト(週5本・・・。) FXトレードで毎日ゆったりまったり勝負中!最近はどっぷりBTCトレードにハマっております。過去にXRP70万枚のハッキング経験あり^p^詳しくはこちら! >ひろぴーの略歴・経歴