移動平均線は、単純移動平均線(SMA)と指数平滑移動平均線(EMA)、加重移動平均線(WMA)と3種類あることは、前回の記事「ビットコインFXに有用な単純移動平均線(SMA)の使い方を理解しよう」でお話しました。
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仮想通貨FXトレーダーの中でもSMAとEMAはよく使われているので、しっかり考え方をおさらいしていきましょう。今回は、SMAと比較しながら指数平滑加重平均(EMA)について解説していこうと思います。
指数平滑移動平均線(EMA)とは
指数平滑移動平均線は、Exponentially Smoothed moving Averageの頭文字をとってEMAと表されます。Exponentiallyは「指数関数の」という意味ですが、指数に馴染みのない人にとっては、何を表すテクニカルなのか全く見当もつかないという人もいるでしょう。
EMAでは、直近の値動きに重きをおいて、移動平均線の値を計算します。 そうすることで、直近の値動きが反映されトレンド転換を素早く掴もうとする意図があります。欠点としては、SMAよりもその分ブレが大きくだましが多くなるので、複数の期間のEMAを同時に表示したり、他のテクニカル指標と組み合わせたりして使うと良いです。
(計算式)指数平滑移動平均(EMA)=前日のEMA+α(当日終値-前日のEMA)
※α=2÷(n+1)
と表されます。
EMAとSMAの違いって?
SMAは、期間中の値動きは平等に扱いますが、EMAは直近の値動きを重視します。
5日SMA(オレンジ棒グラフ)と5日EMA(青棒グラフ)の5日間の値の重要度を表したイメージ図です。この感覚を掴んでおきましょう。
実際の同じ期間のSMAとEMAを見比べていきます。
写真は、BTC/JPY の15分足チャートで、EMA25本足(青)と、SMA25本足(緑)出しています。

大きな価格変動があったときに、EMAの方が大きく変化して機敏に動いている様子がわかると思います。SMAはなだらかに動きます。
EMAは、MACDやATRの元になっているテクニカルの基本ですので、使い方を次の項目から押さえておきましょう。
GMOコインアプリでEMAを設定しよう
それでは、実際に表示させていきます。
当サイトおすすめのGMOコインのスマホアプリを使って説明していきます。
1.チャート画面を開き、一番上の設定ボタンを押します
2.チャートエリアのタブから、指数平滑移動平均にチェックを入れ、
このメニューをタップします
3. 期間が入れられるので、1−150までの数値を入れます
EMAが3本表示されました。

短期線 5 黄色線
中期線 25 緑線
長期線 90 水色線
当サイトおすすめの値は下の表の通りです。
日 |
5、10、13、21、25、50、75、90、200
|
週 |
9、13、26、52 |
月 |
6、12、24、60
|
EMAを使った売買のポイントとは
基本は単純移動平均線(SMA)と同等に移動平均線と価格の位置関係を見てトレントの方向性とトレンドの強弱を探ります。
複数の移動平均線を表示させて、ゴールデンクロスやデッドクロスといったトレンド転換の起点になり得るサインを見つけます。

複数の移動平均線を用いたときに、期間の短い短期移動平均線が、それよりも長い期間で設定した長期移動平均線を上抜けた時にゴールデンクロスといって、価格上昇の可能性を示すサインになることがあります。
逆に、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上へ突き抜けることをデッドクロスといって、価格下落の可能性を示すサインになることがあります。
写真の通り、EMA でも3本の移動平均線が完全にゴールデンクロスしたり、デッドクロスするのには時間を要すため、トレンド転換のが遅れてしまうことがあります。
そこで考案されたのが、移動平均乖離率というテクニカル指標です。
移動平均乖離率ってなに?
移動平均線を使った分析では、大きなトレンドを掴むことが第一ですが、価格と移動平均線が大きく離れたときに、その乖離が縮まる方向に価格は調整すると考えられています。移動平均乖離率は、移動平均線から価格がどのくらい離れたかを%で表して、「買われ過ぎ」や「売られすぎ」を表す指標になります。
グランビルの法則では、移動平均線から離れて価格が推移した場合に逆張りの売買シグナルが出ると説明させていただきました。
トレンド転換を探ろうとする上で、移動平均乖離率を使うと、トレンド転換の起点が移動平均線単独で用いるよりもずっとわかりやすくなるのです。
計算式は、
乖離率=((当期間の終値-移動平均値)÷移動平均値)×100
数値がプラスなら、価格が移動平均線を上方向に乖離し、数値がマイナスなら、価格が移動平均線を下方向に乖離していることを表しています。
どのくらいの数値が売買シグナルになるのかは、一概に言えないので、
過去の乖離率から見て、大きく変動した場合に移動平均乖離率を見ていくのが良いでしょう。
TradingViewを使って見ていきます。(TradingView も仮想通貨FXをやるうえでは、インジケーターの種類が豊富でオススメです。TradingViewを扱っている仮想通貨取引所も多いので、使い方に慣れておくとチャート分析が速くなること間違いなしです!)
ここでは、moving average deviation rate(移動平均乖離率)を使用し、期間を25に指定してあります。
BTC/USDの60分足チャートです。2019年6月にビットコインはとても大きな価格変動がありましたが、6月1日からの移動平均乖離率は−5.5%〜+7%で推移していたところ、
ピンク丸のところでは、乖離率は+11%を超えています。
そのあと案の定、調整が入りました。黄緑色で囲っているEMAの3本のデッドクロスよりも早く売買判断ができます。
またオレンジ丸も同様に、−12%を超えているので、下げすぎと判断できます。
黒で囲っているゴールデンクロスを待つよりも、トレンド転換を早く察知することができます。
複合型移動平均線(GMMA)はどうやって使うの?
移動平均線は一本だけでなく複数本で分析することが多いです。
GMMA(複合型移動平均線)は、12本のEMAから成るトレンド分析の指標の一つです。
長基線(赤色)6本と短期線6本(緑色)からトレンドがあるのかないのか、そしてトレンドの強弱と方向性を視覚的にわかりやすくしています。
短期線(緑色)の期間:3,5,8,10,12,15
長期線(赤色)の期間:30,35,40,45,50,60
長期線グループでトレンドの方向性を確かめます。
ポイントは3つあります。
- 長期線グループと短期線グループの隙間が空いているほど、トレンドが強く、二つのグループの線の束が交差するか、間隔が狭くなってきているとトレンドが弱い
- 6本のグループ内の線の幅が収縮していれば、トレンド弱く、拡張していればトレンドが強い
- 短期線の束と長期線の束が収束し交差するとき、トレンドの転換になる可能性がある
それでは、またTradingView を使ってGMMAを見ていきましょう。
上記チャートはビットコイン/JPYの60分足のチャートです。
青で囲った部分は下降トレンドで、長期線の束(赤)が短期線の束(緑)の上にあり、束と束の間隔が大きくなっていっています。
また、赤い線の束を見るとわかりやすいですが、長期線グループ内で線と線の間隔も大きくなっています。この時、強い下降トレンドと言えます。
オレンジで囲った部分は、上昇トレンドで、短期線グループ(緑)が長期線グループ(赤)を上抜けて隙間が開き始めます。
黄色で囲った部分は、方向性がなく横ばいの時の特徴で、長期線グループと短期線グループの間に隙間がなくねじれが多くなっています。
このように、GMMAを見ることで、トレンドが視覚的に掴みやすくなります。
見方に慣れてしまえば、とても強力な売買判断のためのオシレーターになるので、考え方をおさえておきましょう。
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