Matic Network (MATIC)の詳細 ホワイトペーパー要約記事<前編>

MATICとは >>続編 

急騰のMatic、Binance Researchより「Matic Network(MATIC)」を日本語化してみました。

KEY METRICS [as of 01 Apr 2019] 
Ticker MATIC
Issuing Price $0.00263 USD
Initial Circ. Supply 3,230,085,551 (~32.30% of Total Supply)
Total Supply  10,000,000,000 MATIC
Project Website https://www.matic.network/

 

◆プロジェクト概要

・Matic Networkは、Plasmaフレームワークと分散証明ネットワーク(PoS:Proof-of-Stake)のバリデータ(定義済プログラム)を使用して資産のセキュリティを確保しながら、オフチェーン処理にサイドチェーンを利用することで大規模な処理を達成可能とするLayer 2(レイヤ2)と呼ばれるスケーリングソリューションです。

・Matic Networkは、Plasma MVP(Minimum Viable Plasma)、WalletConnectプロトコル、および一般的なEthereumイベント通知エンジンであるDaggerの実装に取り組んできたEthereumエコシステムへ寄与する開発団体です。

・多くのプロジェクトが既にMaticによるアプリを構築しています。

・Maticは9月にテストネットを立ち上げ、内部で準備ができている高度なプレメインネットバージョンがあります。

・MaticはまもなくネイティブのWalletConnectをサポートした非常にユーザーフレンドリーなPlasmaウォレットをリリースし、デバイス間のdAppやサービスをトラストレス(ユーザーにおける承認の簡略化)で提供します。

◆主な機能

スケーラビリティ:Maticサイドチェーン上での高速、低コスト、および安全なトランザクション、メインチェーンとEthereumで、最初の互換性のあるLayer 1(レイヤ1)ベースチェーンです。

高スループット:内部テストネットのサイドチェーンで最大7,000 TPSを達成。 (多重チェーンによる)

ユーザーエクスペリエンス(UX):メインチェーンからMaticチェーンまでスムーズなUXと開発者のアブストラクト( ネイティブのモバイルアプリとWalletConnectをサポートするSDK)

セキュリティ:マチックチェーンオペレーター(デベロッパー)は、その時点でPoS(Proof-of-Stake)システムステーカー(参加者)となります。

パブリックサイドチェーン:Maticサイドチェーンは(個々のdAppチェーンに対して)本質的にパブリックであり、非許可型(permissionless)であり、複数のプロトコルをサポートすることができます。

 

◆MATIC(マティック)とは?

Matic Networkは、支払い取引だけでなく一般化されたオフチェーンのスマートコントラクトに対しても迅速で簡単かつ安全なオフチェーン取引を可能にする「レイヤ2(Layer 2)」スケーリングプラットフォームです。


ミッション

Maticの使命は、dAppの普及増大に対するトランザクションの需要を満たすことができるスループットを可能にするPlasmaによるLayer 2スケーリングソリューションを作成することです。


特徴

Maticは、Layer 2に対する技術的なアプローチと、さまざまなユースケースに対するサポートが特徴です。

・「Matic Layer 2」は、アカウントベースのMoreVP(More Viable Plasma)の一種です。 Plasmaフレームワークは、メインチェーン上の資産(Ethereum用のERC-20およびERC-721トークンなど)のセキュリティを保証するために使用されますが、一般的な取引は「Tendermint」上に構築されたProof of Stake(PoS)ネットワークによって保護されます。

 Maticサイドチェーンは本質的にEVM-enabledのチェーンであり、堅実なスマートコントラクトを容易に展開するのに役立ち、本質的にEthereum開発者が「dApp /プロトコル」スケーリングを構築できるツールとなります。

・商業的には、Maticサイドチェーンは、Ethereumエコシステムで利用可能な多くの分散型ファイナンス(DeFi)プロトコルをサポートする有効的な構造となっています。

・Maticの基本理念は、dAppが今日の「中央集権型アプリ」によって提供されるユーザーエクスペリエンス(UX)と競争できる(優位性を持つ)ようにすることです。

・EthereumはMatic Networkがサポートする最初のベースチェーンですが、Maticはコミュニティの提案や合意に基づいて追加のベースチェーンのサポートを提供し、相互運用可能な分散型Layer 2ブロックチェーンプラットフォームを実現する予定です。

 

◆トークンセール & エコノミクス

トークン供給分配は以下のとおりです
プライベートセールトークンは総供給量の3.80%
ローンチパッドセールトークンは、総供給量の19%
チームトークンは全供給量の16%
アドバイザトークンは、全供給量の4%
ネットワークオペレーショントークンは、総供給量の12%
財団トークンは、総供給量の21.86%
エコシステムトークンは、総供給量の23.33%

 

プライベートセールの概要

シードラウンド:1 MATIC = 0.00079 USDのレートで販売が行われ、総トークン供給量の2.09%を販売する合計165,000 USDを調達。

早期サポーター:1 MATIC = 0.00263 USDの割合で売却が行われ、総トークン供給量の1.71%を売って合計450,000 USDを調達。

 

パブリックセールの概要

Binance Launchpadの販売は2019年4月に行われ、総トークン供給量の19%に対し、トークン1枚につき約0.00263ドルで、最大$ 5,000,000 USD相当のBNBが調達されます。
BNBからMATICへのレートは、販売日に決定されました。

 

MATICトークンエコシステム

・Maticトークンは、サイドチェーンネットワークのProof of Stakeの合意メカニズムに参加するために使用されます。

・Maticトークンは、POSの参加者へのマイニング報酬とトレンザクション等のgasフィーとして支払いに使用されます。

・取引が発生するたびに、Matic Ecosystemを強化するためのプロジェクト構築を支援、管理運営のため、取引手数料のわずかな割合がプロトコル内で保持および予約され、その資金としてプールされます。

 

トークン運営と資金の使用

2019年2月26日の時点で、Matic Networkは以下の割り当てに従ってTGE(Token Generating Event)資金約7%を使用:

パートナーシップ1%
マーケティング9%
法定15%
技術開発75%

 

財務と経営方針

リスク管理方法として、Maticは少なくとも12か月間の運用コストを賄うために十分な予備資金を継続的に保有する予定です。
暗号通貨として保持されている残りの資金は、マルチシグサポートでコールドウォレットに保管されます。

 

MATICTokenリリーススケジュール

次の表は、毎月発行される予定のすべてのMATICトークンの数と内訳を表しています。

 

 

トークンの概要と使用例

MATICトークンには、3つの主な使用例があります。

・Proof of Stake合意に参加する:

Maticサイドチェーンは、検証者としてProof of Stake(PoS)レイヤを使用して合意形成しそのネットワーク参加者がMaticトークンを共有します。

・ネットワークでの取引手数料の支払い;

Maticサイドチェーンの取引手数料は、MATICトークンで支払われます。 Matic Networkのアプリを使用するユーザーが増えれば増えるほど、取引量が増え、取引手数料も増えます。

・Livepeerとその「protocol funding the ecosystem」モデルから発想を得て、Maticエコシステムプロジェクトをサポートする為の別のステーク機能を可能にする予定です。

これは、ブロック報酬の一部を得るためにネットワークが必要とする機能やdAppに取り組んでいる開発者を支援する為「block rewards(ブロック報酬)」から資金を生み出す事です。このメカニズムは、取引手数料の一定率をプロトコル内で留保することによって資金を蓄えます。

 

◆ロードマップと アップロード

 

2019年第1四半期までに、Maticの上に構築されたプロジェクトのいくつかは以下の通りです:

・使い捨て型ウォレット(Webブラウザのインターフェースを介してトークンをすばやく移動し、完了時にコールドストレージに保管する機能)を使用してdAppにユーザーをオンボーディングするための「Burner wallet」を実装。

・今後のゲームプラットフォーム

・NFT資産の市場

・VRゲーム

・交換所の告知

・まだ開発中のもの

 

最新のロードマップ(2019)

2019年第2四半期

•Matic Network メインネットのリリース(アルファ版)

•アルファバージョンのMatic Plasma実装し、Ethereumベースの資産の入出金を許可する

•Plasma- テストネット上のERC721-ERC20、ERC20-ERC20、ERC721-ERC721での資産間のスワップ

•プルーフオブステーク(PoS)承認機能の実装

•dApps開発者プログラム

•Matic Wallet  – dApp用のWalletConnect(Ethereum&Matic Networkトランザクション)

 

2019年第3四半期

•Matic Network メインネットのリリース(ベータ版)

•Plasma- メインネットでの資産スワップ(ERC721-ERC20、ERC20-ERC20、ERC721-ERC721)のサポート

•一般的なスマートコントラクトのサポート(PoS保証付き)

•Plasma Fastexitテストネットで実装

•プラズマ監視ノード

 

2019年第4四半期および2020年第1四半期

•Matic Network メインネットのリリース

•メインネット上のPlasma Fast exitを提供

•Transaction relay pool(ETHなしでのトランザクションを実行) – EthereumからMaticへの資産等の移動を容易にする。

•一般的なスマートコントラクトのサポート(Plasma 保証付き) – 概念実証

•Plasma  – EthereumアセットのNFT(Non-Fungible Token)マーケットプレイスプラットフォームのリリース

 

◆業務提携および事業開発の進捗

Maticは既に以下を含むいくつかのブロックチェーンプロジェクトと提携しています。

Decentraland:DecentralandはEthereumブロックチェーンを搭載した仮想現実プラットフォームです。
ユーザーは、あらゆるプラットフォーム(すべてのVRヘッドセットおよびWebブラウザ)で動作し、仮想環境およびアプリケーションを作成するように設計された開発者ツールキットを使用し、コンテンツおよびアプリケーションを作成、体験、および収益化できます。
Maticは「Decentraland」とのコラボレートで、仮想世界でのユーザーとのやり取りの結果として発生するトランザクションを処理します。 これには、支払い、NFTの売上、最終的には一般的なゲーム状況やその他のデータも含まれます。

Quarkchain:QuarkChainは、安全で分散化されたスケーラブルなブロックチェーンソリューションを提供することを目的とした、革新的なパーミッションレス型ブロックチェーンアーキテクチャです。 Matic NetworkとQuarkchainは、Quarkchain上でPlasmaサイドチェーンソリューションを研究開発することにより、layer 2スケーリングの研究に役立ちます。 Maticはまた、QuarkchainのためにDaggerやMobile Wallet機能などの通知サービスを構築するためにQuarkchainと協力します。

Ankr Network:Ankrは、データセンターやエッジデバイスでアイドル状態のコンピューティングリソースを活用することを目的とした分散コンピューティングプラットフォームです。
MaticはAnkrと共同で、Matic Network上での分散アプリケーション開発のための分散クラウドコンピューティングサービスを提供できる、分散型「Web3.0
stack」の構築を検討します。

PortisPortisは、「普通の」アプリを使うのと同じくらい簡単に、世界中の誰もが分散型アプリケーションを使えるようにしたいと考えるテクノロジー会社です。
Maticは、Portisを使用してこれらのdAppのスケールとユーザーエクスペリエンスを向上させるのを支援するためにPortisと協力しています。

Maker DAO:MakerはDAI Stablecoinの背後にある組織です。 Matic NetworkはMakerDAOと提携して、Matic NetworkサイドチェーンでDAIを使用するdAppの開発チームと共同で研究開発、支援しています。 Matic Networkは、DAIをMaticサイドチェーンの最初のERC-20トークンとして統合する予定です。

Ripio Credit Network:Ripio Credit Network(RCN)は、世界中のどこにいても貸し手と借り手を結ぶピアツーピア(P2P)のクレジットネットワークです。
MaticはRipioと協力して、Plasmaサイドチェーンによる「Micro loans(少額融資)」を実現します。MaticとRCNは、NFT (Non-Fungible Token)のexitがRCNプラットフォームのローンの担保として使用される高速な「Plasma Exit」も研究しています。

 

後編へ続く>>

 

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元プログラマー、その昔日本初?(多分)の有料iPhoneアプリリリース、無料アプリに至ってはダウンロード数4週以上首位をキープ!多数リリースしたアプリの一つは「AppStore 2010AWARD」にも選出された。さらに遡り、当時(1996年)AppleのCEOアメリオ会長(Steve Jobsを呼び戻した人)と握手した事もある。という自慢話は過去の良き思い出となっている。還暦を期に現役プログラマーを引退(若干ボケが来たので)。 仮想通貨や株には全く無縁であったが・・・