coindeskによると、Twitterでアマチュア無線を使ったLightningNetworkによる送金を試みる書き込みがあったと報じていました。
これがそのTwitterの画面ショットです。
「40mバンド」とはアマチュア無線で7MHz帯を表しています。(ちなみに、おやじっちはアマチュア無線の免許持ってます)
いわゆる短波帯(短波ラジオと同じ周波数帯)の電波は電離層と地面を反射しながら伝搬するので長距離通信には適しています。「JS8」とはアマチュア無線のデジタルモードのプロトコル名で、ざっくり言うと無線用チャットアプリのようなものです。
この試みは、BitcoinのスタートアップメンバーでCoinKiteの共同創設者であるRodolfo Novak氏とブルームバーグのコラムニストElaine Ou氏の間で行われました。ツイートの内容はOu氏によるものです。
次のツイートによると、実際にはビットコインのLightning Networkプロトコルを使用し、Novak氏(カナダのトロント)はアマチュア無線の「20mバンド(14MHz帯)」を使い、Ou氏(カリフォルニアのサンフランシスコ)へ送金トランザクションを送信するという実験デモでした。下の画面はそのJS8アプリの画面のショットと思われます。
この電波による送金は2017年サンフランシスコで開催された「Scaling Bitcoinカンファレンス」で発表されたアイデアでした。
これはハッキング対策に有効な手段ではないかという発想でした。インターネットは常時接続されているので誰でも見ることが可能でまた、検閲もされています。電波は周波数が一致しなければ受信できないし、送ったデータは何処にも蓄積されないのでインターネットと比較しセキュリティ面において有利であり、インターネットが無い場所でもデータの受け渡しが可能です。
しかし、Ou氏は「楽しいデモではあったが無線信号を送信する前に全ての準備をインターネットで行った為、とても非現実的であった。」さらに、「無線機を用意するのは当然で、数十メートルのアンテナの設置や遠距離を送信するには一台数千ドルもの無線機も必要だ」と述べています。
ただ、アマチュア無線にはレピーターと呼ばれる無線中継局や最近ではインターネットを介したD-STAR® (Digital Smart Technologies for Amateur Radio)というシステムを使用し小型(数キロしか届かない)の無線機で遠距離(海外も含む)を交信する方法も確立しています。
昨年、衛星を使ったBlockstreamも立ち上がりましたが、今後どのように使われていくのかユース技術の発展が楽しみです。
(画像はOu氏Twitterより引用)
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